KDDIは29日、”スマホの次”を発明するau未来研究所のコンセプトモデル「Comi Kuma」(コミクマ)を発表した。ぬいぐるみを抱きしめたり、動かしたりすることでスタンプが送信できる。発売時期、価格は未定。都内では記者発表会が開催された。

au未来研究所は29日、ぬいぐるみ型のコミュニケーションデバイス「Comi Kuma」を発表。抱きしめたり、動かしたりすることでスマートフォンを経由し別の「Comi Kuma」にスタンプが送信できる

Comi Kumaは、ぬいぐるみに通信モジュールと12個のセンサを内蔵したもの。頭をなでる、腕を上げる、抱きしめる、キスをする、などのアクションを感知するとBluetoothで接続されたスマートフォンに情報が送られる。インターネットを介して別の場所にあるスマートフォンが、その情報を受信。ペアリングした別のComi Kumaの胸のリボン部分のディスプレイにスタンプが表示される。センサには、タッチセンサ(感圧検知)、キスセンサ(二酸化炭素検知)といった技術を活用している。また、感知したアクションに対しては「大好き」「たのしい」「おやすみ」といった全11種類のスタンプが関連付けられている。

Comi Kumaには通信モジュールのほか、タッチセンサ、キスセンサといった12個のセンサを内蔵。アクションを感知すると全11種類のスタンプが適宜表示される

記者発表会にはKDDIの宣伝部担当部長である塚本陽一氏が登壇し、開発の狙いを説明した。au未来研究所 ハッカソンのモットーは”自分たちが欲しい未来のプロダクトを自分たちでつくる“というもの。ちなみに昨年は、第1弾として足音で遊べるキッズシューズ「FUMM」(フーム)を発表している。前回のFUMMは親子のコミュニケーションを楽しくするツールだった。今回のComi Kumaがターゲットにしている層は「祖父母と孫」だという。

KDDI 宣伝部 担当部長の塚本陽一氏(左)。au未来研究所では昨年、足音で遊べるキッズシューズ「FUMM」を発表した(中、右)

今後、盛り上がりが期待されるIoT市場。しかし塚本氏は「単に同じようなサービスを出したのでは、容易には差別化できない時代になる。まだ高齢者や障害者に向けたウェアラブルデバイスは未開拓で、我々が開発していく価値がある」と指摘する。Comi Kumaのような製品を提供することで、若年層、高齢者といったスマートフォンを利用していない世代にも楽しさを伝えられる。やがては、それがスマートフォンの浸透率を上げていくことにも繋がる、という考えだ。

若年層、高齢者といったスマートフォンを利用していない世代、つまり「祖父母と孫」をターゲットに想定している