【インタビュー】

香取慎吾主演『家族ノカタチ』に込めたドラマPの思い「人それぞれの"家族の形"…すべてが奇跡だ」

 

「人それぞれの"家族の形"…そのすべてが奇跡だ」。"家族の形"が多様化している今の時代、どれがスタンダードということではなく、それぞれに合った形を見つけることが大切なのではないだろうか。3月20日に最終回を迎えるSMAP・香取慎吾主演のTBS系ドラマ『家族ノカタチ』(毎週日曜21:00~)にはそのような思いが込められているという。

左から大介の父・陽三(西田敏行)、恵(水野美紀)、葉菜子(上野樹里)

同ドラマは、香取演じる39歳独身男・永里大介を主人公に、西田敏行演じる父・陽三との親子愛バトル、上野樹里演じる32歳バツイチ女・熊谷葉菜子との独身バトルを通じて、さまざまな"家族のカタチ"を応援する物語。最終回では、大介、葉菜子、陽三をはじめとする登場人物たちが、互いに影響を与えながら行きついたそれぞれの"家族の形"が描かれる。最終回を前に、韓哲プロデューサーに作品に込めた思いや制作秘話、韓氏自身の作品作りについて話を聞いた。

――いよいよ最終回ですが、韓さんがこのドラマに込めた思いを教えてください。

プロデューサーの韓哲氏

かつては、結婚や家族はこういうものだよという共通の認識がありましたが、今は、僕自身も含めて、そうした結婚や家族のスタンダードな形を実際に作るのはとても難しいと感じている人が多いと思うんです。スタンダードな形に縛られずに、それぞれの形を作れたらそれで十分なんじゃないか、むしろ、そのすべてが小さな奇跡なんじゃないか、そんな思いを込めました。このドラマの登場人物たちの姿を通じて、見てくださった方がそれぞれの望む結婚や家族の形はなんだろうと、あらためて考えたり話し合ったりするきっかけになったらいいなと考えています。

――"韓さん自身も"とのことですが、差し支えなければ韓さんの家族の形を教えていただけますか?

僕は、離婚して子供が1人います。小学2年生の男の子で、自分が親権者として育てています。このドラマの顔合わせのあいさつでもこの話をしました。自分もスタンダードな形を作れず悩んでいますが、なんとかやっていますと(笑)。

――香取さん演じる主人公・大介は、最終回でどうなるかわかりませんが、結婚に後ろ向きで1人で生きていきたいという考えの持ち主ですね。

この物語は、大介のような考えを否定するのではなく、肯定するところから入っています。今はもう、そういう考えが決して特殊なものだと思いません。ただ、そんな大介に考え方も生き方も180度違う父・陽三が、優雅な独身生活の破壊者のようでありながら、過剰かつ深い愛のお節介をし続けたら、何か変わるのだろうか、変わることがあるとしたらそれを見せていきたいという考えから始まっています。

――第9話まできましたが、大介も葉菜子も変わってきました。特に、第6話での「しんどくなったらまた俺に言え」という大介のセリフはグッときました。

大介の変化が感じられたシーンですね。このドラマじゃなかったらなんでもないセリフだと思いますが、大介と葉菜子はそのセリフを言うために6話もかかった。全体の半分以上の時間を要しましたが、大介がこの言葉を葉菜子に言えたことは、それくらいすごいことと感じてほしかったので、放送後にそういう声をたくさん聞けてうれしかったです。

――この作品はオリジナルドラマですが、制作が進んでいく中で、ストーリーを変えたところはありますか?

大きな流れは変わっていませんが、それぞれの役者さんの芝居を目の当たりにして、いい意味で大きく豊かに膨らんでいきました。

――膨らませた部分とは、例えばどんなシーンでしょうか?

入江と茜の結婚式は、当初考えていたより膨らみましたね。そうなったことで、葉菜子が大介だけに離婚の理由を打ち明けるシーンが自然にその後に来ました。陽三が浩太に命のつながりを語りかけるシーンは、西田さんからネイティブアメリカンの死生観の話をうかがって生まれたものです。また、佐々木は当初最終回でも婚活を続けているはずでしたが、幸せになってもらいたいと予定を変更しました(笑)。

――このドラマは、大介の本音を伝えるモノローグも特徴ですね。

大介のモノローグがドラマのその回のテーマを伝えていますが、僕らもまず、脚本の後藤さんがどんな大介の心の声を書いてくるのか楽しみでした。香取さんもまるで、本当に自分の声のようだと話していて、それくらいうまくはまっていたと思います。

――いよいよ3月20日で最終回です。楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。

『家族ノカタチ』らしい最終話になっています。家族ノカタチファミリーが全員集合して全部が見どころですが、特に、終盤に大介が長く語るシーンは注目してほしいです。また、大介や葉菜子をはじめとする登場人物たちが、どんな家族の形を選び、これから作っていこうとするのか見届けてもらいたいです。きっとこの先の彼らの物語も想像できる様なラストになっていると思います。

――最後に、韓さんが影響を受けたドラマを教えてください。

学生の頃から今まで見ているすべての作品が影響していると思いますが、あえて挙げるなら、フランク・キャプラ監督の映画が大好きです。『素晴らしき哉、人生!』や『スミス都へ行く』 、『オペラハット』、『或る夜の出来事』など、彼の作品には学生時代に勇気づけられ、一番大きな影響を受けているかもしれません。今でもよく見返します。

――フランク・キャプラ監督の映画が、ご自身の作品にも影響していると思いますか?

具体的に言うのは難しいですが、影響は受けていると思います。人間はダメなところもたくさんあるけれども、それも含めて人間を肯定しようとして登場人物たちをユーモアいっぱいに描いている彼の作風が好きなんです。自分もそこにすごく勇気づけられたので、僭越ながら自然にキャプライズムみたいなものが入っていると思います。『S -最後の警官-』(2014年)のような一見特殊な話を作る時にも、特殊部隊員たちの日常をちゃんと描きたいと思いました。題材に関わらず、何でもない日常こそがかけがえのないものなんだということを、常にドラマ作りのテーマに置いておきたいという思いがあります。

■プロフィール
韓哲
1973年4月23日、東京都出身。1997年、TBSに入社し、報道局に配属。報道やバラエティのディレクターを経て、2006年にドラマ制作部に異動。『アルジャーノンに花束を』(2015)、『S -最後の警官-』(2014年)、『ママとパパが生きる理由。』(2014)、『ATARU』(2012)などをプロデュース。阪神ファン。

『家族ノカタチ』最終話の場面写真

(C)TBS

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