シャープは3月17日、プラズマクラスター空気清浄機「蚊取空清」(型番:FU-GK50)の製品発表会を開催した。蚊取空清は、蚊の習性と空気清浄機の吸引力を利用して蚊を捕獲する空気清浄機だ。

蚊取り機能付き空気清浄機「蚊取空清」。構想段階から開発までに約4年、製品化までにはさらに2年を要した

蚊取空清の特徴は、本体背面にあるプレフィルターの上に、蚊を捕獲するための「蚊取りパネル」「蚊取りシート」を備えていること。蚊取りパネルの内側にUVライト(蚊は360μmの紫外線を好む)を照射し、本体の小窓に蚊を誘い込む。そして、空気清浄機の吸引力を利用し粘着式の蚊取りシートに吸着する仕組みだ。

UVライトは白い部分から照射される

プレフィルターのさらに外側に蚊取り用の機構を備えている

蚊取りパネルの内部を小窓から見た様子。ブルーのライトは、蚊が好むとされる波長360μmの紫外線

冨田昌志氏

シャープ 健康・環境システム事業本部空調・PCI事業部の冨田昌志氏によると、蚊は自らの存在を目立たなくするために濃い色を好むことから、本体カラーはブラックを採用。また、暗がりや物陰に隠れたがる習性があるため、蚊取りパネルには小窓を設けたという。

蚊の習性とそれらに対応した3つの機能

空気清浄機の気流で蚊を吸い込み、粘着式の蚊取りシートでキャッチする

蚊取空清は、2015年9月のマレーシアを皮切りに、ASEAN諸国で先行販売されている。ASEAN、特にマレーシアの人々にとって、生活空間で一番怖いのは蚊だという声を聞き、現地スタッフやマレーシア保健省医療研究所(IMR)とともに開発をスタートさせた。

マレーシア保健省医療研究所(IMR)で行われた実証試験の様子。テスト回数は67回で、10,391匹の蚊が使われたという

本体内部を撮影した映像より。赤丸が付いている箇所は吸い込んだ蚊

開発にあたり、シャープは日本環境衛生センターに委託して蚊の捕獲試験を実施。日本に多く生息しているアカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカの3種類を約22立方メートル(6畳相当)の試験空間に放ち、22時間運転した。捕集率は、アカイエカが約95%、チカイエカが約98%、ヒトスジシマカが約88%だったという。

ASEAN向けモデルと異なり、国内向けモデルは集じん用のフィルターに「静電HEPAフィルター」を採用。脱臭フィルターもより高性能なものを使用した。また、蚊取りシートを、2つ折りにして畳んで捨てられる仕様に変更している。

蚊取りシート。ハエ取り紙のような粘着性のあるシートで、約2カ月使用できる

使用済みの蚊取りシート。約2カ月を目安に交換する必要がある。税別価格は1,400円

操作パネル。「蚊取り」ボタンを押すと、UVライトが点灯する

日本向けモデルでは、集じん用フィルターに「静電HEPAフィルター」を採用している

蚊取空清は、いわば「逆輸入」的な製品だと言えよう。シャープ 執行役員の沖津雅浩氏は「プラズマクラスター製品は世界100カ国で展開している。これまで国内向け製品を海外に展開する取り組みを行ってきたが、海外市場の強化にはローカルニーズに対応した製品が必要」と説明。国内での販売を決めた経緯については、2014年に感染が確認された「デング熱」など、日本でも蚊に関する社会問題が増加していることが起因していると話した。

ASEANでのプロモーション事例

沖津雅浩氏