【レポート】

決済事業に進出するFinTech企業たち - 彼らは金融機関にとって脅威となるのか?

 

昨今、利便性の高いサービスを提供するFinTech企業が相次いで登場し、金融ビジネスに大きな変化をもたらしている。アメリカでは多くのFinTechスタートアップ企業が台頭し、まさに金融とテクノロジーの融合が進んでいるが、その波は日本にも押し寄せている。

産業革新とも言える状況の中、これまで多くの金融機関を顧客に抱えてきた日本テラデータは3月16日に、FinTech革命により進化する金融ビジネスモデルに関する記者説明会を開催した。

FinTechによってビジネスはどう変わろうとしているのだろうか?

産業変革が進む金融サービス

日本テラデータ 金融事業本部 プリンシパル・コンサルタント 石井一君氏

現在、金融ビジネスだけでなく、さまざまな産業において変革が起こっている。昨今の産業変革におけるキーワードとなるのが「デジタル化」だと、同社の金融事業本部 プリンシパル・コンサルタントである石井一君氏は語った。例として挙げられたのが、NAPSTER(ナップスター)やUber(ウーバー)である。

NAPSTERは、90年代後半に、アメリカのノース・イースタン大学の学生が、音楽の共有を目的としてMP3共有プログラムを開発したのが発端となっている。アナログレコードからCDへ代わって、今では音楽はダウンロードする時代となり、NAPSTERは音楽業界に危機をもたらした。自動車配車サービスのUberは、同社によると現在世界395の都市で展開するまでに成長しており、"ライドシェア"という選択肢を増やす存在となった。

では、金融業界において、FinTech革命はどのような影響を及ぼすのだろうか? 「銀行機能は2つの側面から破壊されようとしている」と石井氏は解説した。

石井氏によると、金融業界をとりまく新興勢力には、「スタートアップ」と「デジタルリーダー」の2種類が存在するという。

「スタートアップ各社は、顧客満足の観点からビジネスを再定義するが、一方のデジタルリーダーたちは、伝統的な産業の枠組みを破壊する」(石井氏)

この「デジタルリーダー」にあたる企業として挙げられたのが、GoogleやFacebook、Appleなどである。これらの企業は、独占的なプラットフォームやデバイスを武器に、産業の枠組みにとらわれないサービスを展開するため、金融業界にとってはDisrupter(破壊者)となるという。

FinTch企業の分類と戦略

「GoogleはE-money免許を取得している。これはEU限定のライセンスで、銀行に準ずるライセンスとなっている。このライセンスがあることによって、彼らは決済コードがつくれ、決済手段を発行できるため、送金ビジネスが行える。Facebookもすでにアメリカで送金ビジネスをスタートさせていると聞いている。これが広がっていくと、極端な話、クレジットカードが必要なくなってくる。Facebookの中には、中小の飲食店やそのほかの事業を行っている人がたくさんいるため、Facebookの中で経済圏ができあがっており、決済の仕組みがあればそこで完結してしまうことになる。今後、Facebookは全世界13億人の会員向けに"マイクロ・ペイメントシステム"を提供する予定としている」(石井氏)

金融分野におけるFinTech企業群
※データは11月時点のもの

一方、スタートアップ企業は、顧客満足の視点からビジネス展開していることから、既存の金融ビジネスとの親和性が高いこともあり、協働するケースもあるという。金融業界は、彼らとうまく連携することによって、市場を拡大させていくことが見込めるだろう。

FinTechスタートアップ企業と連携することによって、金融機関は市場を拡大させる機会でもある

金融機関とFinTechスタートアップ企業の関係はどうなるのか?

金融サービスを支えるのに重要となるものの1つとして、ビッグデータ分析がある。ビッグデータを分析することによって、顧客やリスクの理解や、予測精度を向上させることができるからだ。実際に、南アフリカの銀行・保険会社では、ビッグデータを活用して、保険請求の不正検知に役立てているという。

保険請求不正検知に関する概要

日本テラデータ 金融事業本部 プリンシパル・コンサルタント 渡辺高氏

日本テラデータの金融事業本部 プリンシパル・コンサルタントの渡辺高氏は、ビッグデータ分析の重要性について、次のように説明した。

「既存の金融機関のコアとなる、ブランド力や信頼性、顧客理解といった強みはこれからも守られていくだろう。われわれの観点からすると、何がそういった強みを金融機関に与えているかというと、既存データの活用である。金融機関には顧客情報や金融の行動情報といった高い価値のデータが存在している。またデータがあるだけでなく、蓄積された分析能力によって、顧客の理解やリスクの把握、規制への対応ができる。このデータを活用したり分析する能力は、FinTech企業と遜色のないレベルを金融機関も持っている。こうした強みを活かすことによって、金融機関は市場拡大をはかっていける。したがって、最終的には、FinTech企業は金融機関と融合していく可能性が高いのではないだろうか」

日本テラデータ 執行役員 兼 金融事業本部長 和田淳氏

また、同社の執行役員 兼 金融事業本部長である和田淳氏からは、このような状況をふまえた同社の戦略方針について、次のように語った。

「これから注力していくことの1つめは分析エコシステム。従来のテラデータの基盤に加えて、オープンソースのシステムを新たに取り込んだハイブリッド型の分析エコシステムを提供していく。2つめはコンサルティング。長年培ってきたノウハウをもとに、さまざまな分析事例をテンプレート化し、お客さまに提供していく。3つめはクラウド。自社のクラウドに加えて、AWSを用意している。金融機関はクラウドに関してネガティブな話が多いが、個人情報を含まない領域やアジャイル開発の領域においては、金融機関でのクラウド活用が広がっていくのではないだろうか」

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