生理中、血尿に気づくポイントは?

急性膀胱(ぼうこう)炎や尿路結石、腎臓ガンなどの病気になると、血液が混じった赤い尿が出ることがあります。これを「血尿」と言いますが、女性が生理中に尿の色の変化に気付いた場合は、それが経血なのか、病気による血尿なのか、判断がつかないこともあるでしょう。

今回は、女性の血尿の原因や病気のリスク、血尿か経血か分からない場合の対処法について解説します。

女性は「急性膀胱炎」が多い

血尿が出るのは、尿をつくる腎臓や、尿の通り道となる尿管、膀胱、尿道のどこかに炎症や傷ができていて、そこから出血しているというサインです。肉眼で赤い尿が確認できる場合(肉眼的血尿)と、色では分からなくても尿検査で血尿と診断される場合(顕微鏡的血尿)があります。

まず考えられる原因は、急性膀胱炎や腎盂(じんう)腎炎などの尿路感染症。急性膀胱炎は、大腸菌などの細菌が膀胱に侵入して炎症を起こす病気です。トイレを長時間我慢することなどによって起こり、特に女性に多く見られます。初期は、頻尿、残尿感、排尿時の痛みが三大症状ですが、ほかに尿のにごりや腹部膨満感があったり、悪化すると血尿が出たりすることもあります。

膀胱の細菌感染が腎臓にまで進んで炎症を起こすと、腎盂腎炎に。血尿のほかに、高熱、腰や背中の痛み、吐き気、全身のだるさなどが生じることもあります。

また、尿管に結石が詰まる尿管結石、膀胱ガンや腎ガンなどの悪性腫瘍が原因で血尿が出ている可能性もあります。尿管結石は、お腹や腰に激しい痛みが起こるのが特徴ですが、膀胱ガンや腎ガンの場合は、重度になるまで血尿以外の自覚症状はほとんど現れません。