【レポート】

UPRの「WorldKeeper」、IoT特許とAT&T連携で荷物追跡が海外でも可能に

米AT&Tは、法人向けの資産管理や輸送監視ソリューションを強化していく方針を示しており、その中で航空貨物追跡ソリューションをアジア地域に拡大することをMobile World Congress 2016で発表している。パートナーとして、貨物輸送監視のUPRと提携し、今後サービス提供を行っていく方針だ。新たなUPRのサービスについて、両社に話を聞いた。

便利な追跡ソリューション「なんつい」の気づきにくい問題点

UPRは、輸送などに使われるパレットのレンタル販売大手だが、このパレットの紛失対策として追跡ソリューションを開発していた。これは「自社のパレットがどこにあるのか」を確認する仕組みだったが、物流会社側から「貴重品の輸送にこの追跡システムが使えないか」という問い合わせがあったため、パレット以外も追跡できる「なんでも追跡システム"なんつい"」を開発した。(関連記事:KDDIら、物流の温湿度管理と位置測位の支援端末「なんつい」を開発)

"なんつい"はPHSとGPSレシーバーを内蔵した端末を利用しており、荷物と一緒に送付することで、荷物の位置を遠隔地から監視できる。GPSの位置情報が取れない屋内の場合は、PHSの電波を利用して位置を推定する仕組みとなっている。

ただ、日本独自のPHSシステムを採用した関係上、海外の荷物は追跡できないという欠点があった。そこで、ソフトバンクの携帯を使うことで海外でも追跡できるようにした「World Keeper」を開発し、国際貨物の追跡にも対応した。World Keeperは、温度センサーや加速度センサーも搭載されており、位置情報の追跡だけでなく、貨物輸送時の温度、加わった衝撃を記録できるため、輸送時の問題が把握できる。

ただ、このWorld Keeperにも欠点があったという。航空貨物の場合、輸送時に携帯電波をオフにしなければならず、現地に到着した時点で再びオンにしなければ追跡できない。World Keeperの端末は荷内に入れておくため、手動でオン・オフするにはリモコンが必要で、人がオフにしてリモコンを一緒に輸送し、着陸後に人が届いたリモコンを使ってオンにするといった作業が発生していた。

こうした作業は荷主や運送会社には大きな手間となるため、航空輸送では「荷物追跡を諦めて温度、加速度だけを計測する」という契約か、そもそもWorld Keeperの利用につながらない事態となっていた。

UPRでは、自動的に電源をオン・オフできる仕組みをずっと探しており、白羽の矢を立てたのがAT&Tの物流管理IoTソリューション「Cargo View with FlightSafe」だった。

AT&T回線でセンサー情報を送信

Cargo Viewは、GPSや温度センサー、湿度センサー、加速度センサー、気圧センサー、照度センサーという一通りのセンサーを搭載するとともに、AT&Tの通信回線をサポートしている。そして、「航空貨物として輸送時に自動で通信回線をオン・オフする」という仕組みを備えているのが、最大の特徴だ。

この特許は、空港で利用されている電波を受信するとセンシティブ・モードに移行し、加速度や気圧をチェックして通信回線をオフにする。米連邦航空局(FAA)などの基準に則った仕組みであるため法的に問題なく、人手を割くことなく、航空貨物に載せて追跡ができるようになったという。

UPRではこのCargo Viewを既存のWorld Keeperのサービスに組み込むことで、利用企業が従来製品とCargo Viewを選択できるようにした。Cargo Viewは航空輸送をターゲットにしているため、従来品よりバッテリーサイズが小さく、数カ月にわたるような船便には従来品が適しているからだ。

バッテリーが小さいことから、Cargo Viewのサイズは従来のものに比べて3分の1程度にコンパクト化しており、価格も低廉化した。デバイスは購入かレンタルで利用となるが、コストはどちらも3分の2程度になるという。

World Keeper

Webで情報管理が可能に

センサー情報については、AT&Tの携帯回線を利用してCargo ViewのWebサーバにアップロードされる。問題が発生した時はメールを送信するといった設定もできるため、「目的地以外で開梱された」などの情報をリアルタイムに確認できるという。

これらのデータはCargo ViewのAPI経由でWorld Keeperの管理サイトでグラフィカルに確認できる。荷物がどのような経路で運送されているのかを地図上に表示したり、どの程度の温度と湿度で運ばれ、途中でどのような衝撃が加わったかを確認したりできるため、「荷物が安全に運ばれたか」「壊れた原因はどこにあるか」を確認できる。

もともとUPRは、日本国内、または日本発の海外輸送荷物を追跡するソリューションを提供していたが、今回のCargo View採用を踏まえて"海外発送の荷物追跡ソリューション"としてもサービスを拡大していく考え。UPRはシンガポールとタイ、マレーシアに事業所があり、アジア地域から日本へ送られる荷物追跡サービスを提供するとしている。

AT&TではCargo ViewをIoTサービスとして、端末と通信回線、Webサービスのセットで提供する。それをUPRがアジア向けにインタフェースなどをカスタマイズして提供し、World Keeperの1メニューとして販売する。

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