それでは、手軽にビタミンCを摂取するために最適な食材な何だろうか。多くの人はレモンを思い浮かべるかもしれないが、事実、レモンを含む果物(特にかんきつ類やイチゴ)や野菜、いもなどはビタミンC含有量が多いのだ。ただ、水溶性で熱に弱いため、できるだけ新鮮な生で食べた方がよい。「洗いすぎ」「ゆですぎ」「水へのさらしすぎ」もNGだ。

「過剰に摂取しても余剰分は尿から出てしまうため、一般的には有害な過剰症はないとされています。ただし、薬やサプリメントなどでは、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響が報告されており、腎機能に問題がある人では腎結石のリスクが高まることから注意が必要です」。

上手な摂取方法を知る

実際に摂取するとなれば、効率よくビタミンCを体内に吸収させるためのノウハウも知っておきたいところ。浜中医師に3つのコツを教わったので、ぜひ実践してほしい。

少量ずつに分けて摂取

ビタミンCは水溶性で一度に大量に摂取しても、過剰分は尿と一緒に排出されてしまう。吸収されなかった分は2~3時間ほどで体外に排出されるため、毎日数回に分けてこまめに摂取するのが理想的だ。

満腹時に摂取

空腹時に摂取した場合の吸収スピードは速く、過剰分がすぐに排出されてしまう。逆に満腹時に摂取するとゆっくりと吸収が続くため、その間にもビタミンCは消費され、「全体量としては空腹時の約1.6倍が吸収される」との報告もある。つまり、朝昼晩の食事の直後に摂(と)るのが最も効率的な摂取方法と言える。

食べ合わせ


さまざまな栄養素は互いに影響を与え合うため、その食べ合わせも大切。まず壊れやすいビタミンCと一緒に摂取したいのが「ビタミンP」。ビタミンCを安定させる作用があるため、摂取効率が高まる。ビタミンPはみかんなどのかんきつ類に多く、果実部分よりも薄皮や白いすじの部分に豊富に含まれる。みかんはビタミンCとPが一度に摂取できる優れものだ。その他、カルシウムやマグネシウムと一緒に食べても、ビタミンCは効率よく栄養素が摂取できる。


逆にきゅうりやにんじん、かぼちゃ、バナナ、りんごなどには、「アスコルビナーゼ」というビタミンCを破壊する酵素が含まれるため、一緒に食べない方がいいだろう。

食べるだけでアンチエイジングが期待できるのであれば、大多数の人が早速ビタミンC摂取に努めるだろう。ただ、食べるタイミングや量などのちょっとしたコツを知っているか否かで、その期待できる効果には「差」が生まれる。そして、その「差」をさらに大きくするためには運動習慣を持ったり、規則正しい睡眠をしたりすることが大切だと覚えておこう。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 浜中聡子(はまなか さとこ)

医学博士。北里大学医学部卒業。AACクリニック銀座院長。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医などの資格を多数取得。アンチエイジングと精神神経学の専門家で、常に丁寧な診察で患者に接する。