今年もついに到来した花粉シーズン。また、PM2.5の飛散などによる大気汚染対策など、花粉症の人のみならず、室内に空気清浄機の設置を検討している人も多いのではないだろうか。

そこで今回は比較的手頃な価格ながら、昨今のトレンドのおもな機能を網羅しており、サイズ感や手入れのしやすさなどの観点で比較して、空気清浄機の初めての1台として購入するのに最適な4機種を紹介したい。なお、機種選定にあたっては、10~12畳程度の広さを基準に、コストパフォーマンスに優れる加湿機能を搭載したモデルに限定した。

パナソニック「F-VXL55」

「F-VXL55」(パナソニック)

パナソニックの「F-VXL55」は、「メガキャッチャー」と呼ばれる前面パネルが開く仕組みで、床上300mmの吸引に威力を発揮する。小さな子供やペットがいる家庭には心強い機種だ。

前面吸引タイプなので、壁際ピッタリに寄せて設置ができる。また、一定間隔で空気の汚れをチェックする「パトロール運転機能」や空気が汚れやすい時間帯を記憶する「学習運転」などの機能により、先回り運転を行うことで汚れた空気が広がるのを防いでくれる。本体カラーはホワイトとブラウンの2色を用意。

本体サイズ: 幅360mm×奥行き230mm×高さ560mm
空気清浄適用床面積: ~25畳
加湿適用床面積: ~14畳(プレハブ洋室)、~8.5畳(木造和室)
清浄時間: 約11分/8畳
最大風量: 5.4m3/分
運転音: 18~53dB
消費電力: 5~53W
最大加湿量: 500ml/h
水タンク量: 約2.3L

シャープ「KC-F50」

「KC-F50」(シャープ)

シャープ「KC-F50」は、プラスとマイナスのイオンを発生させる「プラズマクラスター」により除電ができる。静電気を抑え、微粒子が壁などに付着するのを防いで効率的に吸引可能だ。

また同機種には、0.3マイクロメートルの微粒子を99.97%以上捕集できる、静電気を帯びた高性能フィルター「静電HEPAフィルター」が搭載されている。これによって、捕らえた汚染物質を漏らさずキャッチ。ハンドル付きで持ち運びしやすく、自立する給水タンクが使いやすい。本体カラーはホワイトとベージュの2色がラインアップされている。

本体サイズ: 幅399mm×奥行き230mm×高さ615mm
空気清浄適用床面積: ~23畳
加湿適用床面積: ~14畳(プレハブ洋室)、~8.5畳(木造和室)
清浄時間: 12分/8畳
最大風量: 5.1m3/分
運転音: 20~52dB
消費電力: 2.8~54W
最大加湿量: 500ml/h
水タンク量: 約2.5L

ダイキン「MCK55S」

「MCK55S」(ダイキン)

ダイキンの「MCK55S」は、加湿機能付きながら幅と奥行きがわずか270mm、高さ700mmというタワー型のスリムでコンパクトな空気清浄機だ。

独自の技術「ストリーマ」の照射により、フィルターや加湿トレー内の水を除菌し、衛生状態を保つことが可能。リモコンでの操作にも対応する。また、インテリアに合わせて、ブライトオレンジ、ミッドナイトブルー、ディープブラウン、ホワイトの4色から選べるカラーバリエーションも魅力だ。

カラーバリエーションも計4色と豊富

本体サイズ: 幅270mm×奥行き270mm×高さ700mm
空気清浄適用床面積: ~25畳
加湿適用床面積: ~14畳(プレハブ洋室)、~8.5畳(木造和室)
清浄時間: 11分/8畳
最大風量: 5.5m3/分
運転音: 19~53dB
消費電力: 6~58W
最大加湿量: 500ml/h
水タンク量: 約2.7L

日立アプライアンス「EP-LVG70」

「EP-LVG70」(日立アプライアンス)

パナソニックの「F-VXL55」、シャープの「KC-F50」と同等のサイズながら、ハイパワーの風量や加湿量で、空清運転時の適用床面積は32畳にまで対応する日立アプライアンスの「EP-LVG70」。加湿に関しても、ポンプで水をくみ上げ、加湿フィルターに上からかけて補水する仕組みのため、フィルターが水に浸からないのが衛生的だ。

本体カラーはパールホワイトのみだが、タッチ操作が可能なガラスパネルをはじめ、プレフィルターやフラップ部分などにもステンレスが採用されており、丈夫で衛生的な上に見た目にも高級感がある。温度と湿度表示を1℃単位でデジタル表示してくれるのも便利だ。なお、イオン発生機能は搭載しない。

本体サイズ: 幅360mm×奥行き254mm×高さ669mm
空気清浄適用床面積: ~32畳
加湿適用床面積: ~19畳(プレハブ洋室)、~12畳(木造和室)
清浄時間: 9分/8畳
最大風量: 7.2m3/分
運転音: 15~49dB
消費電力: 6~59W
最大加湿量: 約700ml/h
水タンク量: 約2.5L

選び方のポイント

さまざまな機能を搭載した機種がある中で、まず絞り込むのは"適用床畳数"だ。設置する場所の広さに合わせて条件を満たしたものを選ばない限りは、いくら高性能・多機能な機種でもその効果が十分に得られない。

ちなみに適用床畳数というのは、一般社団法人日本電機工業会の基準では「規定の粉塵濃度の汚れを30分で清浄できるお部屋の広さ」を表す。実空間・生活空間ではなく、何もない状態の部屋で計測された理論値にすぎないことを留意しておこう。実際には設置場所の2倍程度の適用床畳数の製品を選ぶのが無難だ。

適用床畳数により機種を絞り込んだ後は、対象となる製品で機能や性能を比較するとよい。空気清浄機において、性能面を比較する指標には「8畳空間の空気清浄時間」というのもある。これは8畳空間を一定のレベルまでキレイにできるスピードを表し、この数値が速ければ速いほど空気清浄能力が高いということになる。

ただし、空気清浄機の性能というのはこれ以外にもフィルターの種類など複合的な要素により決まるため、一概に全体を比較するのは難しい。一部のメーカーでは「タバコの煙」「花粉」「ホコリ」の3つの項目別に、実空間において性能評価を受けたCADRという世界標準の指標を公開している機種があるが、国内メーカーの製品でこれを採用している機種はまだ少ない。設置したい部屋の状況とあわせて、よくよく検討すると良いだろう。

※価格は全てオープン