【レポート】

出産後の抜け毛がつらい……妊娠・出産における髪トラブルの原因と対策

 

出産後に髪が抜けるには訳がある

出産後の体調変化でつらかったことをママたちに聞いたところ、「抜け毛が増えた」と答える人が多かった。外見から分かる変化であるため、慣れない子育てのストレスと相まって精神的につらいと感じる人もいる。そこで今回、なぜ出産後に髪が抜けるのか、その対策と合わせて「銀座HSクリニック」の院長・北嶋渉先生に聞いてみた。

女性ホルモンの減少が原因

北嶋先生によると、出産後に髪が抜けるのは妊娠中に蓄えられた「女性ホルモン」の分泌が減少・不安定になるからだという。身体のあらゆる機能に影響を与えるホルモンのうち、女性ホルモンと称されるエストロゲンとプロゲステロンは妊娠中に高まり、出産で一時的に分泌が減少・不安定な状態になる。特にこのエストロゲンは毛髪生成を促す働きがあるとされており、分泌が減ることによって髪が抜けやすくなるなど髪のトラブルを引き起こすとされている。

そもそも髪には一定のヘアサイクルがある。正常であれば、髪が生える成長期(2~6年)、髪が抜ける退行期(2週間)、髪が生えるまでの休止期(3~4カ月)のサイクルだ。このサイクルが妊娠・出産後でバランスが崩れる。

具体的にいうと、女性ホルモンの作用が活発な妊娠中は成長期間が長く、女性ホルモンの活動が不安定になる出産後は成長期間が短くなる。十分に育たなかった弱々しい髪は退行・休止期間が長くなってしまうため、結果、出産後は髪が大量に抜けたように見えるという。「出産後に髪が抜けるということに目がいってしまいますが、それは妊娠中に髪が抜けなかったからです。妊娠・出産後を合わせて見てみると、抜ける髪の総量は通常の量と同じです」と北嶋先生は話す。

こうした抜け方による薄毛は、広範囲にわたって一面が薄毛となる「びまん性脱毛症」とされている。その要因は出産やピルなどによるホルモンバランスの変化のほか、加齢による老化、貧血、内臓疾患、急激なダイエット、ストレスなどが挙げられている。

1~2年に通常に戻る

では実際、どのように対策をすればいいのだろうか。北嶋先生によると、基本的に1~2年で通常のサイクルに戻るので、必要以上に心配をしなくても大丈夫とのこと。それでも、抜け毛によるストレスで精神的なつらいということであれば、クリニックを訪れるのも手だ。

クリニックで処方される内服薬は、特に母乳に影響を与えるという報告はないものの、リスクを避けるという意味で、育毛剤などの外用薬での治療を北嶋先生は推奨している。治療には半年~1年かかるのが一般的だ。

ただし、出産後は育児で多忙となることもあり、出産後の薄毛対策でクリニックを訪れる人は多くないという。薄毛に対して具体的な対策をするならば、なるべく生活のリズムを整えて、質の高い睡眠をとり、ストレスをためないように心がけることが大切になると北嶋先生は言う。

「例えば、ちまたにはワカメを食べると髪が増える、というものがありますがあれは誤りです。確かに、ワカメなどの海藻類に含まれているミネラルは髪を形成する成分のひとつではありますが、増毛効果を実感できるほどの量は含まれていません。特定の栄養素に偏ったものではなく、健康な身体をつくるためにバランスのとれたものを摂取するようにするといいでしょう」(北嶋先生)。

※写真はイメージで本文とは関係ありません

記事監修: 北嶋渉

皮膚科医。銀座HSクリニック院長。頭髪に関するあらゆる悩み・トラブルを治療する頭髪治療専門院として、同院を2010年に開院。男性、女性いずれの診療も行っている。
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