e-Sportの興行は、まさにスポーツ興行そのものといえるだろう。収益として、観戦チケットや放送による売り上げ、スポンサーからの収入、関連グッズ販売の利益などが見込まれる。「e-sports SQUARE」を運営する株式会社SANKOの鈴木文雄氏は、e-Sportsをモータースポーツに例える。モータースポーツは、自動車産業や周辺産業の実験の場所としても機能しており、この業態がe-Sportsに近いと捉えているそうだ。ゲームやPC、デバイスやメディア、メガネや食品に至るまで、あらゆる産業の実験の場になっていくことを望むという。

現在、新たなスポーツ興行の形態としてe-Sportsが話題に上がるごとにプロゲーマーやチームの利益は増し、さらなるファンと顧客を呼ぶという好循環の真っただ中にある。e-Sportsの主役ともいうべきこのプロゲーミングチームは、現在どのような状況にあるのだろうか。

「フルタイム勤務・給料制」を実現したDetonatioN Gaming

DetonatioN Gaming 代表/株式会社Sun-Gence 代表取締役社長 梅崎伸幸氏

元々は一部上場企業で会社員をしつつ、チームを運営していた梅崎氏。始めは、1プレイヤーとして世界大会で勝利したいという一心でチームを結成したと語る。当時からスポンサーを獲得しており、2015年1月には法人化も達成。同時にチームメンバーが共同生活を行う「ゲーミングハウス」の設立や日本のプロチームとして初の「フルタイム勤務・給料制」などを実現し話題となるものの、先行投資感は否めなかった。

状況が大きく変わったのは2015年2月。「東京アニメ・声優専門学校」がアニメ総合制作科に「e-Sports プロフェッショナルゲーマーワールド」として4つのe-Sports専攻学科を発表してからだ。e-Sports専攻が存在する以上、その修了後の受け皿に誰しもが興味を持つ。そこで、DetonatioN Gamingが一躍脚光を浴びることとなる。

DetonatioN Gamingのチームメンバーが共同生活を行っている「ゲーミングハウス」。近日移転予定とのこと

「e-Sports プロフェッショナルゲーマーワールド」としてe-Sports専攻学科を始める東京アニメ・声優専門学校