説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneに「うるう年」とか「うるう秒」って関係あるの?』という質問に答えます。

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うるう年とは、文字どおり暦上1年の日数が平年より多い「閏(うるう)」にあたる年をいいます。うるう秒も同様に、1日の秒数が平年より多いことを指します。その状態を放置すると、暦と季節にズレが生じるため、日数/秒数を増やして暦を調整するというわけです。太陽暦では約4年に1度のうるう年がありますが、うるう秒は地球の自転(天文時)と原子時計の時刻差がプラスマイナス0.9秒の範囲に入るよう不定期に調整され、将来の発生時期は予測できません。

iPhoneは時刻およびカレンダーを管理しますから、当然うるう年の影響を受けます。ただし、iPhoneは現在時刻をインターネット上のサーバと同期させる「自動取得」が前提であり、手動設定する場合でも内蔵のカレンダーがうるう年を正しく計算しますから、狂いは生じません。実際、2016年はうるう年ですから、2月は29日まで『カレンダー』に掲載されていますし、手動設定している場合でも変わりはないことでしょう。

一方、うるう秒はタイミングによっては「1秒の差」が生じる可能性があります。インターネット上のサーバとの同期は毎秒行われるわけではないため、同期サイクルの間にうるう秒が実施されれば、標準時と1秒の差が生じることになります。もっとも、iPhone内蔵の時計は原子時計級の精度ではなく、定期的に同期を実施しているように微妙なズレが発生することを前提としているほどですから、まったく問題にならないでしょう。

ここ10年を見てみると、うるう秒の実施日は1月1日(2006/2009年)と7月1日(2012/2015年)であり、日本標準時の9時直前のタイミングで行われています。株式や為替の取引のように、1秒で生じる価格差が無視できないビジネスもあることでしょうが、1秒を突き詰めるほど厳格な取引にiPhoneを利用しているとは考えにくく、やはり問題になるとは考えられません。

iPhoneもうるう年/うるう秒の影響は受けますが、現在時刻をインターネット上のサーバと同期させる「自動取得」が前提ということもあり、まったく問題はありません