【インタビュー】

テレビ屋の声 - 第4回 テレ東『ウレロ☆無限大少女』演出・佐久間宣行氏、テレビは不便でも「ネットやスマホを超える価値あるものを」

1 なんでこんな大変な思いをすることに…

 
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今、注目を集めるテレビ番組のディレクター、プロデューサー、放送作家、脚本家たちを、プロフェッショナルとしての尊敬の念を込めて"テレビ屋"と呼び、作り手の素顔を通して、番組の面白さを探っていく連載インタビュー「テレビ屋の声」。

第4回の"テレビ屋"は、テレビ東京のコント番組『ウレロ☆無限大少女』の演出・プロデュースを手掛ける佐久間宣行氏。入社当時、コントをやりたいと企画書を出しても「フジテレビじゃないと」と言われたが、その後も企画書を出し続け、実現にこぎつけたという執念の人だ。そんな佐久間氏は、自身が影響を受けた"テレビの絶対的な良さ"を明かしながら、「『あれを見て育ちました』って言う人が増える番組を作りたいと思うんです」と希望を語る――。


テレビ東京『ウレロ☆無限大少女』演出・プロデューサーの佐久間宣行氏

――入社されてから一貫してバラエティ番組の制作ですか?

入社1年目はドラマのADでした。深夜ドラマのADを1年くらいやって、そこからバラエティに転属になり、『クイズところ変れば!?』のADを番組が終了するまでの半年間やり、その後は『ペット大集合!ポチたま』『TVチャンピオン』の両方でチーフADをやり、入社3年目に企画が通って、深夜枠のプロデューサーをやったんです。当時、全局で一番若いプロデューサーだったと思いますが、それが『ナミダメ』という伊集院光さん、オダギリジョーさん、オセロが出ていた番組。半年で終わったんですけど、その番組がATP(全日本テレビ番組製作社連盟)の新人賞をもらって、それから"時々面白い企画を出すやつ"っていう認識が会社で出始め、『TVチャンピオン』でディレクターをやりながら、お笑い関係の番組を手掛けるようになって、入社5年目に『大人のコンソメ』という番組で総合演出をやりました。

――ここに出演していたのが、おぎやはぎさんや劇団ひとりさんですね。

その前から知ってはいたんですけど、この番組から本格的に仕事をするようになり、これが終わってから数年後に『ゴッドタン』(現在は毎週土曜25:45~26:10)という番組を始めます。一方、夕方で『ピラメキーノ』という番組も始めて、深夜と夕方をやっている期間がけっこう長かったですね。それと、昔からコントをずっとやりたいと思っていて、2011年に『ウレロ』を立ち上げてシーズン4までやってきて、もう1つコント番組をやりたいと思って手がけたのが、『SICKS ~みんながみんな、何かの病気~』(現在はBSジャパンで毎週月曜23:30~24:00)です。

――もともとお笑い番組をやりたいという志向があったのですか?

はい。入社1年目のときに「コントをやりたい」という企画書を出したら、「そういうのはフジテレビじゃないとできないよ。でもそういうのが好きだったら、深夜ドラマをやってみれば?」と言われて、深夜ドラマのADについたという感じですね。

――現在最新シーズンが放送されているシチュエーションコメディの『ウレロ』シリーズでは、プロデューサーと演出を兼ねていますよね。

僕の担当番組はほとんどこのスタイルです。もともとプロデューサーよりもディレクター向きだと思っているんですけど、ずっとディレクターをやってきた結果、お金の管理やチーム編成まで、ひっくるめてやった方が、力を注ぐところも決められるし、番組を面白くできると思うことが多かったんです。それと、演出とプロデューサーを切り分けてできるほど、うちの会社も余裕があるわけじゃないので(笑)

――そんな『ウレロ』ですが、制作スケジュールはどのようになっているのですか?

2週間に1回収録しているんですけど、本番が終わった後に、次の回の本読みをします。なので、台本の初稿は本番の2週間前に上げておくことになりますね。その1カ月前に、まず僕が「ここでこんなことが起きて…」というような構成のプロットを立てて、それぞれの担当作家がそれに合わせて書いてきて、みんなで揉んでいく…という作業を繰り返します。そうしてある程度のプロットが見えてきてゲストのキャスティングも決まったら第1稿を書いてきてもらって、それを直して2~3稿になったくらいで立ち稽古をして、そこで大幅な直しが出ると6~7稿、多いときは10稿くらいまで行って、本番です。

――これは骨の折れる作業ですね!

オールロケコントの『SICKS』も大変でしたが、そっちは収録なので編集で何とかできるですけど、『ウレロ』は一発本番で、リハーサルも当日に8回やって本番でドン!なので、『ウレロ』の方が大変ですね(笑)。特に大変なのは、脚本を作るのに、6人のレギュラーにゲストもいて、計7人を過不足なく出しつつ、かつ、起きている出来事をリアルタイムでカメラが撮れるようにしなければいけないということ。舞台的には成立しても、カメラが追いつかないと、視聴者には分からなくなっちゃうんです。

――すごく手間をかけている番組なんですね。

結果的にはそうですね。もともとコントをやりたかったんですけど、実際に始めてみると、なんでこんな大変な思いをすることになってしまったんだ…っていう心境です(笑)

――テレビでかつてやっていたシチュエーションコメディと言えば、三谷幸喜さんが脚本・総合演出をやっていた『HR』(フジテレビ)を思い出しますが、それよりも『ウレロ』は、飛び蹴りもあったりして動きが激しく、ノンストップ感をものすごく感じます。

『HR』は、演者が役者さんオンリーでしたから、どちらかというとお芝居に重点を置いていましたよね。一方、こっちはほとんど芸人で、10秒に1回笑いを起こさないといけないくらいの構成を考えているんで、比べてみるとテンポアップしているんだと思います。

『ウレロ☆無限大少女』(テレビ東京系 毎週金曜24:52~25:23)
「アンロッカー」と呼ばれる特殊ドリンクを飲むことで、能力が無限大に解放されるヒーローたちが所属する派遣事務所「川島アンロックサービス」を舞台に展開されるシチュエーションコメディ。これまでテレビ3シーズンと、2度の舞台が上演された人気シリーズで、劇団ひとり、バカリズム、東京03、早見あかりが出演。今シーズンでは、モデルで女優の福原遥が準レギュラーとして参加している。
(C)「ウレロ☆無限大少女」製作委員会

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インデックス

目次
(1) なんでこんな大変な思いをすることに…
(2) 『SICKS』の続編「アイデアはある」
(3) 『ごっつええ感じ』のような芸人さんの冠番組を
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