2016年2月19日、特許庁1階ロビーで「あなたと社会に、ニセモノは悪です」と題したパネルディスカッションが開催された。パネルディスカッションでは、インターネットショッピングにおける模造品トレンドと対策など紹介した。

パネルディスカッション会場の様子

パネルディスカッションの冒頭、特許庁総務部長の髙橋直人氏より「インターネットの市場規模が拡大し、誰もが気軽に買い物できるようになった。そのなかで、インターネットでの模造品・海賊版の被害が増えている」という報告があった。

模造品や海賊版と聞いて真っ先に思いつくのは、バッグや財布、時計、化粧品などのブランド品だ。最近では、インターネットの口コミで注目を集め、爆発的に売れる新興ブランドも出始めている。これについて、知的財産権の保護・啓発や一般消費者の利益を守るための活動を続けている一般社団法人ユニオン・デ・ファブリカンの専務理事・事務局長・堤隆幸氏は「しかし、新興ブランドは模造品や海賊版対策を十分に行えるだけの体力がつく前に、偽造品が流通してしまう」と証言する。

ユニオン・デ・ファブリカン 専務理事・事務局長・堤隆幸氏

「模倣品・海賊版対策の総合窓口に関する年次報告」(経済産業省)によると、模倣品・海賊版に関する相談・情報提供の8割超がインターネット取引関連となっているという。インターネットショッピングの急速な普及に比例し、模造品や海賊版といった偽物に触れる機会が増大しているのだ。

今では、誰もが模造品・海賊版といった偽物の被害に遭う可能性がある。偽物は、見た目こそ本物と似ているが、品質は遠く及ばない。作りが悪く、使用後すぐに壊れてしまったり、それにより怪我をすることもある。また、化粧品や薬品などの場合は、原材料に健康被害を及ぼす物質が含まれているケースもある。消費者にとって、偽物を使用するリスクはあまりにも大きい。