【レポート】

ヴイエムウェアが語るIoTへの取り組み - Coca-Colaの自動販売機に導入も

 

米VMware EMEA担当 戦略コンサルティング部門統括 マティアス・ショーラー氏

IoT(Internet of Things)は人工知能と並ぶ今年のITトレンドの1つだ。IoTに関連した製品の展開、企業による導入も始まっている。ヴイエムウェアと言えば、仮想化製品のベンダーとしての印象が強いが、同社の製品はIoTソリューションの構築に活用されており、すでにさまざまな企業にIoTソリューションを導入しているという。

今回、米VMware EMEA担当 戦略コンサルティング部門統括 マティアス・ショーラー氏より、同社のIoTへの取り組みについて話を聞いた。同氏は、中央ヨーロッパで自動車関連のビジネスを統括しており、コネクテッド・カーや自動車業界の新たなビジネスモデル全般に取り組んでいる。

ショーラー氏は初めに、IoTソリューションについて、「接続」「管理」「モバイル通信」「インフラ」「セキュリティ」「アプリのライフサイクル」を組み合わせる必要があると説明した。同社が提供するIoTソリューションはこれらの要素を活用して、「モノの管理」「データのキャプチャと分析」「クラウドモバイルサービスの提供」を行う。

IoTソリューションに必要な構成要素

「モノの管理」では、AirWatchでデバイスのアクセスと管理を、NSXでセキュアなコネクションを、vRealize OperationでIoTエッジゲートウェイの管理と監視を行う。ショーラー氏によると、インテルと提携しており、インテル製ゲートウェイにvRealize Operationのエージェントが搭載されているという。

「データのキャプチャと分析」では、Pivotal Spring XDでデータ収集を、EMCのFederation Business Data Lakeでデータストレージを、Pivotal Big Data Suiteでデータの分析と対処を、EMC Real Time Intelligenceでエッジ分析を行う。

IoTアプリの設計・開発・展開・運用を行うために、SDDCなどによりデータセンターのインフラを構築し、アプリ・プラットフォームを活用して、クラウドモバイルサービスの提供を実現する。

このように、同社は「IoT向け」と銘打った製品ではなく、一般に企業向けとして提供している製品群によりIoTソリューションを提供している。

IoTのアーキテクチャとヴイエムウェア製品のマップ

ショーラー氏はIoTソリューションの導入事例として、Coca-Colaを紹介した。コカ・コーラは、1台で100種類以上の飲料を提供する自動販売機「コカ・コーラ フリースタイル」を提供しているが、裏ではAirWatch製品が動いているという。

AirWatchはデバイス管理、構成管理、デバイス分析、SAPとSalesforceの連携を行っている。具体的には、飲料の利用データの収集、販売機のメンテナンスと飲料の補充管理などを行い、収集したデータの分析結果から、販売機によって飲料の種類を変更したり、個人のオーダーを管理したりすることで、購買客のニーズに応えている

「Coca-Colaは米国でペプシにシェアを奪われていたが、フリースタイルの導入により、盛り返していると」ショーラー氏。Coca-ColaがAirwatchを選んだ理由としては、「拡張性、柔軟性が高いこと」が挙げられた。

あわせて、ショーラー氏のメインの業務であるコネクテッド・カーに関する取り組みについても紹介された。IoTは製造業で導入が進んでいると言われており、製造業の中でも自動車業界は日本の経済を牽引しており、その取り組み状況は気になるところだ。

ショーラー氏は、Pivotal製品を用いてアプリを開発したメルセデス・ベンツとフォードを紹介。メルセデスが2016年に発売を予定しているEクラスに搭載されるアプリ「メルセデス・ミー」は離れた場所からのドア施錠・解錠などのリモート操作を実現し、スマートフォンを鍵と利用することが可能になるという。

「メルセデスはソフトウェア・カンパニーを目指している。そのスタンスの成功は、元はソフトウェアベンダーだったテスラモーターズが示した。EVはエンジンが見えないため、ハードウェア面で差別化の要素がない。そのため、ソフトウェアとサービスで工夫をしていく必要がある」と、ショーラー氏は自動車業界におけるソフトウェアの価値について語った。

ショーラー氏はIoTソリューションを支えるデータセンターのインフラにおいては、ハードウェアでもソフトウェアでも構築可能な拡張性が特に重要だと述べたが、拡張性と並ぶ重要な要素が「セキュリティ」だという。

例えば、ドイツの製造業では、製造システムが仮想化されるなど、IT化が進んでいるが、セキュリティの強化が課題となっているという。ドイツのある工場では、1台のマシンのUSBから工場全体にウイルス感染が広がったそうだ。「NSXのマイクロセグメンテーションでタイトな制御を行えば、ウイルス感染の被害を最小に食い止められる」と、ショーラー氏は語る。

「ヴイエムウェアがIoT」と聞いた時は少々違和感があったが、考えてみれば、同社の戦略「One Cloud, Any Application, Any Device」はIoTと関わりが深い。規模が求められるIoTのインフラもソフトウェア定義のデータセンターなら容易に拡張可能だ。

さらに広がることが予想されるIoT分野において、ブイエムウェアがこれからどのようにして存在感を放っていくのか、興味深い。

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