シーメンスPLMソフトウェア(シーメンスPLM)は2月18日、エレクトロニクス・半導体業界に対する同社のPLMソリューション戦略について記者説明会を開催した。同説明会では、同社のエレクトロニクス、半導体業界向けワールドワイド戦略・ビジネス開発担当バイスプレジデントであるシーア・ラングルーディ氏が登壇した。

シーメンスPLM エレクトロニクス、半導体業界向けワールドワイド戦略・ビジネス開発担当バイスプレジデントのシーア・ラングルーディ氏

ラングルーディ氏によれば、エレクトロニクス・半導体業界ではIoTやスマートマニファクチュアリングという大きなトレンドの影響で、製品開発に対するアプローチを見直す必要に迫られており、世界のエグゼクティブが「新製品の開発と市場投入」について頭を悩ませているのだという。したがって、同社にはPLMソリューションの提供を通じて顧客の「新製品の開発と市場投入」を支援することが求められていることになる。

そうした業界のニーズに対して同社では、エレクトロニクス・半導体業界を民生用/工業用電子機器、家庭用電気製品/白物家電、電子機器受託製造サービス、半導体デバイス、半導体製造装置という5つの市場に分け、各市場の専門家を集めた戦略チームを構成している。また、世界各地の顧客のエグゼクティブを集めて開催するグローバル・エグゼクティブ会議や地域別ユーザー会議、米国半導体工業会(SIA)や全米家電協会(CEA)主催のイベントへの参加を通じて市場の最新ニーズを収集している。これらの取り組みにより、各市場および顧客企業のニーズに最適化したソリューションの開発が可能となっているという。

シーメンスPLMではエレクトロニクス・半導体業界を5つの市場にセグメントしている

ソリューションは各市場向けに特化した機能を搭載する

ただ、顧客の「新製品の開発と市場投入」を十分に支援するためにはソリューション開発だけでなく戦略も重要となる。同氏はエレクトロニクス・半導体業界向けのソリューション戦略のポイントとしてまず、部門間のシナジーを活用すること重要だとする。「(顧客は)製品・ソフトウェアの管理はできているが、それをまとめて管理することはできていない。」(ラングルーディ氏)。これに対しシーメンスPLMは、ハードウェアとソフトウェアの同時設計・同時検証だけでなく、製品の持続可能性やIP管理、サプライヤーとのコレボレーションまでカバーする幅広いソリューションを提供できるとした。

部門間のシナジーを高めるためのポイントとそれに対するシーメンスPLMのソリューション

もちろん、ただソリューションを導入すれば良いというわけではなく、PLMの利点を活用しプロセスを効率化する必要がある。とある顧客ではPLMの活用法を見直すことでPR(Problem Report)からECN(Engineer Change Notice)までの手順数を約35%削減、使用するツールの数を19個から5個まで減らすことができたという。

また、エンタープライズ向け製造実行システム(MES)を手掛けるCamstar社を買収するなど、業界特有のニーズに応えるために自社でのソリューション開発だけでなく、買収/投資も戦略的に行っていく。さらに、各市場のバリューチェーンを通して使用できるソリューションパッケージが揃えられているほか、クラウド環境での利用にも対応するなど、ソリューションの提供方法も柔軟かつ幅広く用意している。

これらシーメンスPLMが提供するソリューションおよびその戦略は、例えばSamsungで開発サイクルタイムを30%短縮したほか、Teradyneでは設計変更通知プロセスを75日から12日に短縮するなど、エレクトロニクス・半導体業界において具体的な結果を示している。