「安定期」でも起こりうるリスクとは

妊娠した女性が「妊娠の報告は安定期に入ってから」とか「安定期に入ったからマタニティ旅行に行きたい」と言うのを耳にしたことはありませんか。

安定期は正確にはいつからで、安定期に入ると、本当に体の状態が安定して外出や旅行もOKになるのでしょうか。今回は、妊娠中の「安定期」の意味や注意点について解説します。

「安定期」とは?

一般的に、妊娠5カ月(16週)頃からを「安定期」と呼びます。5カ月以降を安定期と呼ぶのには、主に2つの理由があります。まず一つは、流産の確率がぐっと下がるから。流産の約9割は、妊娠12週未満に起こっていて、それ以降はほとんど起こらなくなるため、16週に入れば、無事に妊娠が継続して出産に至る可能性が高くなります。

もう一つの理由は、16週以降に、母体から酸素や栄養を赤ちゃんへと受け渡す重要な器官である「胎盤」ができてくること。そのため、つわりの症状が少しずつおさまり、体調が安定して食欲が出てくる人が多いようです。妊娠期間の中では、もっとも妊婦さんが心身ともに落ち着いていて、マタニティライフを楽しめる時期と言えるでしょう。つまり、「妊婦さんの体と心、赤ちゃんの状態が取りあえず安定してくる時期」という意味で、「安全な時期」という意味ではありません。