【レポート】

Appleが発表した「カスタマーレター」と、プライバシー、安全保障について - 松村太郎のApple先読み・深読み

1 Apple VS. 米国政府という図式

松村太郎  [2016/02/19]
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iPhoneのセキュリティについて、米国で議論になっている。カリフォルニア州リバーサイドの判事が、Appleに対して、iPhoneの暗号解除についてFBIに協力せよ、との命令を下したからだ。2015年12月に発生した、同州サンバーナーディーノ市での銃乱射事件では、14名が亡くなり、17名が重軽傷を負った。

この事件の3人の犯人うちの1人が使用していたiPhone 5cについて、パスコードがかけられたロック画面を回避するよう協力せよ、というのが裁判所の命令だ。iPhoneのパスコードには、10回間違えると端末内のデータを消去する機能が備わっている。これを回避するよう求めているのだ。

これに対して、Appleは米国時間2月16日付けで、CEOのTim Cookの名前で公開書簡を発表した。その相手はAppleの顧客。「A Message to Our Customers」。トップページのバナーには「An important message to our customers」と書かれており、書簡のWebページのアドレスは「customer-letter」となっている。

CEOのTim Cookによる公開書簡

この内容は、普段我々がAppleに限らず、デジタルデバイスを扱う上で、非常に重要かつ慎重に考えなければならない問題、「プライバシーと安全保障」についてだった。 米国に住んでいる筆者は、特に日本の読者の皆さんに対して、この問題に注視して欲しいと考えている 。 Appleはグローバルにビジネス展開しており、それはFacebookやGoogleといった他のシリコンバレーの世界的な企業も同様だ。しかし、あくまで米国に本拠地を置く企業である。この手の賛否ある問題について米国内での議論、あるいは米国政府や当局との間でのコンセンサスや裁判による判決によって、結果的にはグローバルスタンダードが決定されることを意味するからだ 。

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インデックス

目次
(1) Apple VS. 米国政府という図式
(2) 公開書簡「A Message to Our Customers」の内容とは
(3) 高いセキュリティを売りにするApple
(4) iMessageは犯罪者のツールか?
(5) Appleは、この戦いで何を勝ち得るのか?

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