【レポート】

ETロボコン2016の競技内容が明らかに - 「色の識別」が求められる難所が登場

 

組込みシステム技術協会とETロボコン実行委員会は2月15日、組込みシステム分野において5年後・15年後に世界をリードするエンジニアの育成を目指す「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト(ETロボコン)」の2016年度大会の概要を発表した。

本題に入る前にETロボコンについて簡単に説明する。

ETロボコンとは、レゴ・マインドストームで作ったロボット(走行体)などを利用し、難所や課題をクリアしながらコースを走ってタイムを競ったり、自由にパフォーマンスを行うエンジニア向けの教育ロボコンのこと。9月~10月に全国の各地区で地方大会が行われ、チャンピオンシップ大会が11月16日に神奈川県・横浜のパシフィコ横浜で開催される(「Embedded Technology 2016」との併催)。参加資格は高校生以上で、企業のエンジニアおよび大学生、高専生、専門学生を主な対象としている。

2015年大会の様子。(提供:ETロボコン実行委員会)

大会競技は「デベロッパー部門」と「イノベーター部門」の2部門に分かれており、「デベロッパー部門」は熟練度に応じて「プライマリー・クラス(初学者向け)」「アドバンスト・クラス(中堅以上向け)」に分かれている。「デベロッパー部門」はレゴ・マインドストームを使ってコースを走るタイムなどを競うもので、規定のハードを使い、求められる性能をソフトウェアでいかに実現するかが勝負となる。一方の「イノベーター部門」はどちらかと言うとアイデアコンテストで、製品やサービスを開発し、企画審査および会場でのパフォーマンスによって総合順位をつける。

競技は2部門3クラスに別れている。イノベーター部門は非常に自由度が高い。

参加申し込みは、ETロボコン2016の大会参加申し込みページより可能で、3月1日~4月7日まで受け付けている。参加には所定の参加費がかかるが、メンバーが定まらない可能性がある学生チーム(大学、短大、専門、高校、高専)は4月28日まで仮登録とすることができる。

色を識別してパズルを解け!

さて、ここからは今回明かされたET2016の競技内容を紹介する。

昨年から大きく変わったのは、走行体のスピードだけでなく「頭脳」も求められる点だ。今年のテーマはズバリ「カラーセンスを磨け~最強の頭脳で、究極の走行性能とパズルを解き明かせ~」。これまで、ETロボコンのデベロッパー部門はロボットの「制御」の部分を競ってきたが、今回は「色の識別」と「情報処理」の部分も追加されることとなった。もっとも「色識別」と「情報処理」が求められるのはアドバンスト・クラスで、プライマリー・クラスは昨年と同様の難度に設定された(詳しくは後述)。

また、使用可能な走行体が「LEGO Mindstorms EV3」に統一されたのも大きな変更点だ。昨年は「LEGO Mindstorms NXT」も使用できたが今年からはEV3のワンメイクとなる。開発環境/動作環境はTOPPERリアルタイム(C/C++、mruby)とLinux(Java、C#、Python他)が利用可能。昨年はコースを斜めに走るストレートが特徴的なコースレイアウトだったが、今年は左右(LとR)にコースがよりはっきりと分けられた。

今年のコースレイアウト。

プライマリー・クラスはコース以外では内容・難度に大きな変更はなく、走行体も昨年に引き続きEV3による通称「EV3 Way」が使用可能だ。内容に大きな変更が加えられなかったのは、同部門が初学者を対象としているためで、教える側の負担をなるべく少なくして参加を促すための配慮だ。また、参加者がレベル相応のクラスにエントリーするように、同部門では「モデリング未経験者および初級者かつETロボコン過去参加が3回未満」という参加規定を設けた。

プライマリー・クラスには参加規定を設けた。4回め以降の参加者はサポート役に回ってほしいとのこと。

プライマリークラスのコースレイアウト。

一方のアドバンスト・クラスでは、前面に2本のアームと後ろに尻尾がついた新走行体「HackEV」を使用する。また、コースでは「ET相撲Neo」と「ブロック並べ」というゲーム性をもたせた難所が登場。「ET相撲Neo」は難所エリア内に設置されたブロックの色を認識し、難所手前に設置された「トロフィー」を運搬して、認識した色以外の色のブロックをエリア外に押し出すというもの。もう1つの新難所「ブロック並べ」では、ブロックの色とマトリック上に設置された円の色を合せるという作業を行う。

アドバンスト・クラスで使用する「HackEV」はハッケブイと読む。相撲の掛け声「はっけよい」に由来するとか。

アドバンスト・クラスのコースレイアウト。

「ET相撲Neo」。ブロックを周りを走る新幹線に接触すると減点。

「ブロック並べ」。ブロックは5色用意しているが、緑色がセンサに検知されにくいため本番では使用しない可能性もあるとのこと。

「走行(制御)」と「ゲームクリア(情報処理)」という2軸で争うことになるため、採点方式も「スプリント方式」に変更する。これは、LコースとRコースに各50点を配分した上で、さらに各コース(ターン)の中で走行時間(制御)とゲームクリア(情報処理)に25点ずつを分け、それぞれで点数を付ける方式。走行競技、ゲームクリア、ボーナスには想定最速時間/想定最大ボーナスが設けられており、上回れば合計が100点を超える場合もある。

「スプリント方式」による採点の概要。

イノベーター部門では、これまで通り参加チームで自由に設定したテーマのほか、実行委員会が設定した「10年後に、あると便利な新しいシステム」というテーマを選択することも可能となった。採点方式では従来通り事前の企画書審査が50%を占めるが、会場審査ではより多面的な評価を行うために企画審査員が加えられ、特別・一般審査と25%ずつの得点配分を持つことになる。また、よりきめ細かく審査できるよう、点数配分を4段階に変更した。

会場審査に企画審査員が加わり、より多面的な評価が可能になったという。

各部門ともモデル審査も実施されデベロッパー部門のプリマリー・クラスでは「ソフトウェアの内容をモデルで正しく表現できるか」、同アドバンスト・クラスでは「競技の最適解をモデルを使ってどう解くか」、イノベーター部門では「企画への期待・可能性・面白さを企画書で訴求できるか」が審査方針となる。

ETロボコンは人材/技術交流の場でもある

ETロボコンは、教育ロボコンというだけあって競技会だけでなく、ワークショップや懇親会にも力を入れており、人材/技術交流の促進を図っている。懇親会などは企業と企業、または企業と学生の交流の場となっており、学生としては組込みシステムを学ぶことが出来るだけでなく、スキルや技術への熱意を企業にアピールできる場になるため、ETロボコンが就職につながることにも多いという。また、企業側から見ると有望な学生をリクルートするチャンスであると同時に、社員のモチベーションアップや、他社のエンジニアとの交流など、さまざまなメリットがある。学生や企業の垣根を超えた技術交流が実現するETロボコン、参加を検討してみてはいかがだろうか。



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