「ブラックリスト」というと、クレジットカードの支払いが遅れたり、借金の返済ができなかったりした際に載ってしまう名簿、というイメージがあるかと思う。だが、そもそも「ブラックリスト」とは何なのだろうか。信用情報を扱う日本信用情報機構(JICC) 経営企画部 部長 竹下慶之さんと経営企画グループ 広報担当 中西恵梨さんに信用情報について伺った。

「ブラックリスト」って何?

まず「ブラックリストとは何か」という話だが、両氏は「そもそも『ブラックリスト』というものは存在しない」と語る。

中西さん:日本信用情報機構を始めとする信用情報機関は、会員会社である消費者金融会社、クレジットカード会社や金融機関等(以下「会員会社」)が登録した情報を管理する、いわばデータベースのような役割を果たしています。そこには「銀行で住宅ローンを組んだ」「クレジットカードの支払いが延滞している」といった客観的取引事実が「債権情報」として項目に登録されています。

竹下さん:信用情報機関は情報を預かるだけなので、信用情報機関が登録情報を変更したり、スコアリングなどをして評価したりすることは一切ありません。また、世間で言われている、支払いが遅れた人の情報をまとめた「ブラックリスト」という名簿ももちろん存在しません。

信用情報記録開示書みほん 本人情報と債権情報が記載されている

クレジットカードが作れない理由は、その人の名前がブラックリストに載ってしまっているからではない。信用情報機関のデータベースにある個人の信用情報を参照した会員会社が、各社の基準で「この人には信用がないのでお金を貸せない」と判断したから作れないのだ。延滞した人の情報がリストとしてまとめられ、裏で回っているということはないそうだ。

どんな情報が登録される?

会員会社が「カード作成やローンを組んだ場合、返済能力があるか」を判断するひとつの基準にするのが「異動参考情報」と呼ばれる、延滞等が含まれる情報だ。

中西さん:一定期間を過ぎても借りたお金が返済されなかった場合、会員会社が異動参考情報として登録します。

■異動参考情報(一部)
延滞(元金延滞、利息延滞)……入金予定日から3カ月以上入金がされていない情報
延滞解消……入金等がされて、延滞ではなくなった情報
債権回収……契約先が強制執行や支払督促などの法的手続きを取った情報
債務整理……契約先に返済金額の減額等を申し入れた情報

例えば、Aさんがクレジットカードの支払いを3カ月以上延滞した場合、クレジットカード会社がAさんの異動参考情報の欄に「延滞」という情報を登録する。

このような状態でAさんが新たに別のクレジットカードを作成しようとしても、信用情報機関のデータベースに「Aさんがクレジットカードの支払いを延滞している」という記録があるため、「Aさんは今後も支払いが遅れる可能性がある(信用がない)」と判断され、新たにクレジットカードを発行できない理由の1つになる場合がある。

また、完済したのに新しくカードが作れない時は、「延滞解消」の記録が原因の可能性がある。「延滞解消」は、延滞登録後、入金等がされ延滞でなくなったという情報で、登録から最長1年間登録される。会員会社が異動参考情報にある「延滞解消」の記録を見て、「今は延滞していないが、返済が滞る可能性がある」と判断する場合も考えられるそうだ。