技術教育、人材育成

ETロボコンでは、技術教育、人材育成のためにさまざまな活動を行っている。参加者は、例年2月の実施説明会から始まり、技術教育、試走会、地区大会などの機会を利用しながらこのCS大会に到達する。CS大会の競技終了後も、参加者同士、また全国の優秀なエンジニアたちと交流することができる懇親会があり、これを楽しみにしている常連チームもいる。

ワークショップの様子 (提供:ETロボコン実行委員会)

競技会翌日の19日にはワークショップが開催された。本年度は36チーム180名が参加し、「今年のふりかえり」や「来年にむけての課題」についての総括を議論した後、実行委員による「仕様と設計のトレーサビリティ」、「ステートマシン設計入門」、「構造モデルの作り方」、「分析・設計モデルと品質の作り込み」といった個別テーマによるミニ・ワークショップや、審査員にモデリング内容を相談するモデル相談所(写真)にそれぞれ参加し、来年に向け、刃を研ぎ始めていた。

モデル相談所(左)、ミニワークショップの様子(右) (提供:ETロボコン実行委員会)

技術教育、人材育成に終わりはない。ETロボコンがより多くの人材育成に役立ってくれることを願って止まないと共に、業界を良くしたい、という全国300人以上のボランティアスタッフの協力があることが、このロボコンの底力なのだと思う。

15周年を迎える2016年、より多くの若手エンジニアたちの大会への参加、そして日本のエンジニア力の向上を願うベテランエンジニアたちの協力を願ってやまない。

著者紹介

鈴木尚志
コギトマキナ代表取締役社長/システムズアーキテクト
1991年に日本アイビーエム大和研究所入社、社内外数十件の多様な組み込みシステムの製品開発に従事後、組込みシステム開発のエバンジェリストとして活動。
「ストーリーのあるモノづくり」を旗頭に2012年に独立。他、ETロボコン本部審査委員、IPA/SECソフトウェア高信頼化推進委員、鶴岡高専特命教授、慶応大学大学院SDM研究科研究員など兼任し、組込開発業界のスキマ家具屋さんとなっている最近。海が好き。