ここからは、授賞式の様子を見ていこう。「ハイタッチプロジェクト」では、NECパーソナルコンピュータによる「NECPC PRISE」、インテルによる「Intel PRISE」、ロフトワークによる「Loftwork PRISE」、そして総合優勝の4つの賞が用意されている。各賞の審査基準に違いがあり、NECでは、ビジネス展開の可能性や実用性の高さ、インテルでは技術力、ロフトワークは独自性や面白さが重視される。そして、この3つ賞の基準に照らし合わせ、最も評価が高いアプリが総合優勝を獲得する。

今回、アプリ開発を競い合った6チームの中から、総合優勝となる「GRAND PRISE」に輝いたのは、「Magical Mirror」というアプリ。「家の玄関に置かれた鏡」をイメージし、外出時/帰宅時の表情を自動的に撮影するほか、「行ってきます」「ただいま」などの音声認識機能や、笑顔の時は(画像内に)緑のエフェクトがかかる、といった顔認識機能も備える。また、データは自動でアーカイブされ、家族が確認することもできる。

アプリ「Magical Mirror」。「毎日写真を撮影し連続表示するような仕組みを、手軽にやってみたかった」という。写真は音声認識のデモで、カメラに向かって「ただいま」と声をかけると、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの公式キャラクター「ユニティちゃん」が喜ぶ

アプリを開発したチーム「おにやんま」の方々(後藤さん、前本さん、石田さん[欠席])

Magical Mirrorのコンセプト

顔認識機能により、表情が明るいと、カメラ映像が緑がかったカラーへ変更。怒った顔だと赤色になる。記録した写真や音声認識によるテキストはアーカイブされ、家族などが確認できる

自分に似合うメガネを探せる「Swipy」

ビジネス向けの展開や、実用性の高さで選ばれる「NECPC PRISE」と、技術力を評価する「Intel PRISE」は、「Swipy」というアプリがダブル受賞した。「Swipy」は、メガネの3Dデータを、実際にPCの3Dカメラで撮影している顔と組み合わせ、自分に似合うメガネを探せるアプリ。"似合うメガネ"を見つけるため、「フレームの縦幅は眉から顎までの1/3を目安にする」といった複数の要素をスコアリング。3Dデータ上でメガネをバーチャル装着することで、各要素のスコアリングを行い、自分に似合っているかどうかを判断する。

Swipyのデモ。ジェスチャ操作で、かけているメガネを切り替えたり、メガネの種類を選んだりすることができる。指の形も認識し、サムズアップのジェスチャで、その時かけているメガネを記録できる

Swipyの使い方。あらかじめDBにメガネの3Dデータを記録しておき、ユーザーがRealSense 3Dカメラの前に座ると、顔を高精度でトラッキング。自動的に「似合うメガネ」がバーチャルで映し出される

Swipy開発チームの方々(扇谷さん、堀川さん、金田さん、岡本さん)

独自性あふれる遊びアプリも

独創性や面白さを重視する「Loftwork PRISE」は、"影絵"をテーマに、指の形を2Dで撮影し色を付け、3Dプリントなどで出力できる子供向けアプリ「3Dスナップ」と、手の動きや音声認識でポイントを獲得し、ラップで対決できるゲームアプリ「RapSense」が受賞した。

3Dスナップのデモ。指で形をつくると、2Dで認識された形を撮影。データは3Dとして、画面上で動かしたり、3Dプリンタで出力したりできる

RapSenseのデモと開発風景。2チームでラップ対決ができるアプリで、リズムに合わせて、画面に表示されている歌詞の一部を即興で歌う。RealSense 3Dカメラでラップ特有の手の動き、指の動きを認識するほか、歌詞を音声認識し、韻を踏むことでより高いポイントとなる。会場内で最も盛り上がったデモンストレーションだった(堀之内さん、斎藤さん、鍛さん、若狭さん)

最後は参加者で記念撮影