【レポート】

スマートハウスのことはお任せ - プロを育てる新資格「スマートマスター」

 

一般財団法人 家電製品協会は1月22日、スマートハウス普及のための人材育成を目的とした新たな資格制度「スマートマスター」の設立を発表した。説明会では、家電製品協会 専務理事 伊藤章氏らが登壇。スマートハウスの定義や、スマートハウス普及に向けた課題、そして新資格制度の役割についての説明があった。

そもそも「スマートハウス」とは?

新資格「スマートマスター」について語る伊藤氏

スマートハウスとは文字通り「賢い家」だが、家電製品協会が定義する「スマートハウス」は大きく2つに分けられるという。1つめは、エネルギー消費効率の向上を目指したインフラを設置した家。設備間でデータをやりとりすることで、家庭内のエネルギーを最適に制御できる。具体的には、電力供給者と各家庭の連携をはかる「スマートメーター」や「スマートグリッド」などがこれにあたるだろう。

家の中の設備としては、太陽光をはじめとする家庭内発電設備や蓄電池、これらのエネルギーを家庭内で統合管理する「HEMS」(※)の存在。こういったインフラ設備を駆使することで、効率的かつ快適に節電が可能だ。最終的には、家庭内で作った電気だけでエネルギーをまかなう「ゼロエネルギーハウス」を目指す。
※HEMS:Home Energy Management Systemの略。家電や電気設備とつなぎ、エネルギー使用状況を可視化したり、自動制御したりするためのシステム。

2つめの定義は「家庭内のニーズやライフスタイルに合わせたサービス」を提供できる家。ホームゲートウェイを介してスマートハウス機器をインターネットとつなげることで、留守時の防犯システムや、独居老人の見守りサービス、家の中のエアコンや照明などを外出先からコントロールするといったサービスが実現する。

スマートハウスには、エネルギー効率向上と、各種サービスの享受という2つのメリットがある

問題は「専門家がいない」こと

新築時やリフォーム時に「節電効果の高い設備にしたい」「便利なサービスを導入したい」というニーズは多い。現在も、さまざまなスマートハウス関連製品が発売されている。しかし、スマートハウスはインフラ設備から家電製品まで複雑に連携するため、「総合的にアドバイスできる人がいない」「誰に相談すればよいのかわからない」といった問題が起きている。

そこで、一定の知識を持った専門家が、実現したい家のコンサルティングやアドバイスを行えるよう、専門の資格制度の導入が決定された。それが今回の「スマートハウス」だ。伊藤氏は「将来的には、スマートハウスについてはスマートマスターに相談すればよい、という時代にしたい」と意欲を見せた。

現状では、リフォームなどの際にスマートハウスについて相談できる相手がいないという

保険についてファイナンシャルプランナーに相談するように、今後スマートハウスについてはスマートマスターに相談するような状態を目指す

社会のエネルギー問題から家電製品まで

説明会中盤では、家電製品協会 認定センター センター長 森拓生氏が登壇し、新資格制度の内容について説明した。森氏がスマートマスターの資格要件として挙げたのは以下8項目。これらを学習し、修めた人を「スマートマスター」として認定する。

  1. エネルギー問題を起点とする社会の変化と家庭の変化
  2. 中核機器スマートメーター、HEMSの機能と「家」における役割
  3. ゼロエネルギーハウス(ZEH)の構成要件
  4. 重要コンセプト「創エネルギー・蓄エネルギー・省エネルギー」を実現する製品
  5. スマートハウスの「家」としての基本的構造・仕様・機能
  6. スマートハウス化に向けたリフォームビジネスの基本
  7. スマートハウスが生み出す多様なサービス
  8. 家電製品・技術が生み出す新たな付加価値

自身が執筆委員として関わった学習用テキストを手に、新資格の要件を語る森氏

スマートマスターの詳細なカリキュラム。エネルギー問題から家電製品まで、多岐にわたる内容なのがわかる

上記に挙げたスマートマスターの資格要件は各関連業界の有識者の協力のもと決められた。森氏は「スマートハウス関連ビジネスや家電製品、エネルギー関連商材、リフォームにかかわるビジネスをしている人、それだけでなく、建築士・電気工事士・工事担当者などの国家資格を持つ人にはぜひ取得してもらいたい。電機、エネルギー、住宅関連業界への就職を目指している学生にとっても、有効な資格だと考えている」とコメントした。

建築やリフォーム、家電ビジネスにかかわる人の知識の複合化に役立つ

試験は年2回実施される予定で、第1回試験は2016年9月4日および7日の2回。受験申請期間は6月1日から7月25日まで。試験科目は「スマートハウスの基礎」と「家電製品」の2科目となる。受験料は2科目受験で税込9,230円、1科目受験で税込6,180円となり、合格した場合は11月1日付で認定証が交付される。

森氏はスマートマスター資格の学習用教材として、自身が執筆委員として関わった学習用テキスト「家電製品資格シリーズ スマートマスター インテリジェント化する家と家電のスペシャリスト」についても紹介した。NHK出版から1月26日に税別3,800円で発売される。

第1回目のスマートマスター試験の概要

試験に合格した際に交付される認定書のサンプル

NHK出版より1月26日に発売される学習テキスト。B5版サイズで440ページ。けっこうぶ厚い

スマートハウスの未来は

最後に神奈川工科大学創造工学部 ホームエレクトロニクス開発学科教授・スマートハウス研究センター所長・HEMS認証支援センター センター長の一色正男氏が登壇。スマートハウスの展望について語った。

一色氏は「スマートハウスにかかわる製品は、今までそれぞれの規格でコントロールしていた。我々は『ECHONET Lite』と呼ばれるサービスプラットフォームを推進し、現在さまざまなメーカーがこの企画に沿ってスマートハウス製品を開発している。ECHONET Liteはオープンプラットフォームなので、新しいメーカーも参入しやすい。このため、今後スマートハウス関連の製品はさらに活気づくだろう」とコメントした。

「今までスマートハウス規格の統一を進める座長としてやってきた」と語る一色氏

共通のプラットフォームを持つことで、今後ますますスマートハウス業界が活性化するという

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