【レポート】

レノボがThinkPad新モデルを国内投入 - 2016年は14型モバイルの市場を開拓

千葉大輔  [2016/01/20]

レノボ・ジャパンは19日、同社製ノートPC「ThinkPad」シリーズやデスクトップPC「ThinkCentre」など法人向けPCの新モデルを発表した。これに合わせて都内で記者会見を開き、新モデルの概要を紹介した。

ThinkPadは3シリーズ4モデルを国内販売 - X1 Carbonに近づいたThinkPad T460s

「ThinkPad」シリーズからは、モバイル向けの「ThinkPad T460s」「ThinkPad X260」、メインストリーム向けの「ThinkPad L460」「ThinkPad L560」を日本国内で販売する。いずれも米国ラスベガスで開催されたCES 2016で発表された製品だが、CPUを第6世代Coreに刷新した点が共通のトピックで、これに合わせてサポートする最大メモリ容量の増加やPCI Express SSDへ対応するなど基本スペックが向上している。

ThinkPad T460s。今回発表された製品の中でも一番の注目モデル。デザインを一新することでThinkPad X1 Carbonのような薄型軽量に仕上がっている

特に14型ノートPC「ThinkPad T460s」は、デザインを一新することで、従来モデルから大幅な薄型軽量化を実現。薄さは最厚部で18.8mm、重量は最小構成で約1.32kgとなっている。製品概要を説明したレノボ・ジャパン コマーシャル製品事業部 Think製品プラットフォームグループ 部長 大谷光義氏によると「初代ThinkPad X1 Carbonとほぼ同じサイズ(W331×D226×H8~18.8mm)ながら、より軽量(初代ThinkPad X1 Carbonは約1.36kg)に仕上がった」という。

タッチディスプレイにインセルタッチ技術を採用。通常のタッチモデルではディスプレイ表面にカバーガラスがあるが、インセルタッチでは必要としないため軽量化につながるほか、非光沢とすることができる。また、従来モデルではディスクリートGPUを搭載した場合、ドックが使えなかったが、新モデルではディスクリートGPUを搭載してもドックが使えるように改良が施されている

また、独自のサーマルコントロール機能を備え、ひざ上での作業時や、かばんへの収納時にスリープモードになっていない場合を検知し、冷却を優先することで発熱を抑える。

14型モデルに注力し、市場の開拓を目指す

ThinkPadのモバイルノートは、12型モデル(つまりThinkPad Xシリーズ)が軸となっているが、最近の出荷状況では「ThinkPad X1 Carbon」によって、14型モデルが増加傾向にある。レノボでは従来の12型に加えて、14型の市場を開拓したい考えで、「ThinkPad T460sはそれにふさわしい製品」(大谷氏)という。

モバイル向けThinkPadの出荷数。12型モデルが中心だが、「ThinkPad X1 Carbon」によって14型モデルが増加傾向にある。「12型ユーザーからはもう少し大きなディスプレイ、15型ユーザーからはよりコンパクトという2つの流れがあるのでは」と大谷氏

2016年は12型と14型モデルに力を入れる

このほか、ペン入力やマルチモードといったユーザーの要望が多様化する一方で、セキュリティやポート類など管理のしやすさ、予算とのバランスなど、企業のシステム管理者が求める要素も考慮し、バランスの取れた製品展開を目指すとしている。

ユーザーと管理者からの要望をバランスよく取り入れて製品開発を進めるという

T460sがX1 Carbonに近づいた一方で、クラシックなThinkPadの特徴を持つのがX260だ。交換可能なバッテリやHDDの対応など、拡張性や保守のしやすさといったニーズを吸収するモデルといえる

なお、CES 2016ではこれらに加えて「ThinkPad X1 Carbon」や「ThinkPad X1 Yoga」「ThinkPad X1 Tablet」も発表されているが、これらについては販売次期が先になるため、別の機会に発表するとのことだった。

ThinkCentreやワークステーションでも新モデル

法人向けデスクトップPC「ThinkCentre M」シリーズでは、手のひらサイズの「M700 Tiny」、スリムモデル「M700 Small」、一体型「M700z All-In-One」の3モデルを投入。

ThinkCentre M700シリーズは、メインストリームからややエントリーまでカバーする

いずれもメインストリーム向けのモデルながら、2015年11月に発表したプレミアムモデル「ThinkCentre M900」シリーズと同様の機能を備える。「M700 Tiny」や「M700 Small」ではツールレス筐体やダストシールドなどを採用。また、「M700z All-In-One」でも薄型化した筐体や新設計のスタンドを搭載する。

すでに提供中のハイエンドモデルM900と同様にツールレス筐体やダストシールドといった機能をそなえる

スモールフォームファクタのM700 Smallも筐体の幅を90mm以下とした。これは幅90mmを要件と定める企業が多いためだ

Tiny各モデルのスペック比較

All-In-One各モデルのスペック比較

モバイルワークステーション「ThinkPad P」シリーズには、「ThinkPad P40 Yoga」「ThinkPad P50s」を新たに投入する。2015年11月には「史上最強のThinkPad」として17.3型モデルの「ThinkPad P70」と15.6型モデルの「ThinkPad P50」を発表したが、これらが3DCAD/CAEなど、デスクトップワークステーションの領域までカバーするのに対し、「ThinkPad P40 Yoga」「ThinkPad P50s」はオフィスにおけるパワーユーザーをターゲットとする。

ワークステーションのポートフォリオ

特に「ThinkPad P40 Yoga」はその名の通り、ディスプレイの開く角度によって異なるモードで使うことが可能で、レノボでは「世界初のマルチモードモバイルワークステーション」をうたう。2048段階の筆圧検知に対応したペン入力に対応し、従来ではタブレットとワークステーションで使い分けていた「スケッチ」と「編集」を1台で完結できるモデルだという。

ThinkPad P40 Yoga。「世界初のマルチモードモバイルワークステーション」をうたう

このほか、コンシューマ向けモデルとして発表した一体型PC「Yoga Home 900」や「YOGA Tab 3」を法人向けモデルとして販売することが発表された。

一体型PC「Yoga Home 900」。コンシューマ向けモデルであっても法人向けで活用できるものに関しては積極的に取り入れていくという

YOGA Tab 3についても同様

ワークスタイルの変革で生産性向上を提案

説明会の後半では、レノボ・ジャパン コマーシャル製品事業部 製品ポートフォリオグループ 部長 土居憲太郎氏がワークスタイルの変革をテーマに、会議におけるソリューションを紹介した。

土居氏はまず「企業のコミュニケーションツールとして、メールや電話が広く普及しているのに対し、カレンダーやファイルの共有、テレビ会議システムやチャットツールといったコミュニケーションツールはそこまで使われていない」と指摘する。土居氏も訪問した企業で、ホワイトボードで部署のメンバーの予定が書き込まれている様子を何度か見てきたという。こうしたメールや電話といったのみを利用している企業に対して、どういうソリューションを提案ができるかがポイントとしている。

企業におけるコミュニケーションツール。電話はもちろんメールも当たり前に使われているが、データ共有や遠隔地とのコミュニケーションといった部分は、企業によって差が出やすい

また、企業向けPCの導入サイクルについて説明。企業がPCを導入する際に、一括で導入する場合と複数年に分けて導入する場合に分けられるが、「感覚値では9割ぐらいの企業が分割で導入する」(土居氏)という。つまり、多くの企業ではスペックやOSイメージがことなるPCが混在している状況にある。

企業PCの導入サイクル

続けて、企業内のワークスタイル変革ということで会議に着目。労働時間のうち、大きな時間を費やしている「会議」に対してどう生産性を挙げていくかを中心に、ソリューションの提案を行った。

労働時間の多くを費やす会議における生産性を高める

基本的に会議が設定される際には、メンバーの時間と会議室が開いているかどうかで決めている。メンバーの時間は空いているが、会議室が取れないため予定をずらすというケースもあり、その分意思決定が遅れてしまう。

さらに前述したとおり、多くの企業では世代やスペックの異なるPCが使われており、ある人が使うPCにはD-subがあるが、別の人が使うPCでは搭載されてないことも考えられる。会議では複数のメンバーがプロジェクタを使うことも多く、その度にケーブルをつなぎ変える、あるいは都度資料をメンバーにメールで送付するなど、時間のロスや会話がとまってしまうことによる思考の停止が起こってしまい、それが生産性の低下につながる。

機種ごとにインタフェースが異なることによるケーブルのつなぎ変えなどで時間をとられてしまう

レノボが提案するのはワイヤレスによる機器の接続だ。まずはWiDi対応のアダプタ「Lenovo Pro WiDiアダプタ」を利用した方法で、各PCとアダプタ間をワイヤレスで接続することで、ケーブルのつなぎ変えや異なるインタフェースが混在する問題に対応する。

「Lenovo Pro WiDiアダプタ」をハブにした会議システム

「Lenovo Pro WiDiアダプタ」をハブにした会議システム

参考展示されたThinkPad Stack Mobile Projector。ThinkPad Stackの1モジュールとしての提供を予定しているようで、ThinkPad Stackのバッテリモジュールからの給電も対応する。明るさは150ルーメンでこのクラスのプロジェクタとしては明るい

また、会議資料の共通というところまで踏み込んだのが、パイオニアVCが提供する「xSync」(バイシンク)を使ったソリューションだ。「xSync」はサーバとなるデバイスを用意し、それに各PCがアクセスすることで画面の共有などが行える。デモでは10型タブレット「ThinkPad 10」をサーバとし、各メンバーのPCからアクセスする様子が披露された。

会議中に資料の共有を行う場合も時間のロスが発生する

パイオニアVCが提供する「xSync」を使ったソリューション

デモでは「ThinkPad 10」をサーバとして使い、各メンバーのPCがアクセスする形をとっていた。画面共有やスナップショット機能などを備える

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