多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「スマホを冷やし過ぎてはいけない」ってどういうこと?』という質問に答えます。

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風邪を引かないために体を冷やすな、とは昔からよくいわれることですが、スマートフォンを冷やすなとは……ははぁ、それは「結露対策」ですね。確かに、スマートフォンを冷やしてしまうといろいろな悪影響が生じます。寒い季節、特に寒冷地では注意したほうがいいでしょう。

一般的に結露とは、室内の温度と外気温の差が大きいとき、室内の空気に含まれる水蒸気が水に変わる現象を指します。冬の朝、窓ガラスの屋内側に付着する水滴が典型例ですが、冷たい飲み物が入ったグラスのように、薄い物質を介して温度が大きく異なる物質が接するときにも生じます。

この現象はスマートフォンでも起こりえます。スマートフォン内部は真空ではありませんから、寒い日に長時間屋外で利用し冷え切ったスマートフォンをいきなり暖かい部屋に持ち込むと、スマートフォン内部に結露が生じる可能性があります。湿度とも無関係ではなく、暖房にくわえ加湿している部屋のほうが結露しやすいと考えられます。

寒い季節にスマートフォンの結露を防ぐには、いきなり内外の気温差を生じさせないように注意します。スマートフォンを屋外に持ち出す場合、体温が伝わりやすい内ポケットに入れておくといいでしょう。外気温近くまで冷やしてしまった場合には、玄関など気温/湿度が高くない場所にしばらく放置し温度調整します。

ところで、防水スマートフォンでも結露は発生します。防水機能があるスマートフォンは一種の密封状態ですが、内部の空気には水蒸気が含まれているため、外部からの水分の侵入を防ぐ防水機能は効果がありません。機密性が高いため、結露すると内部に生じた水滴の逃げ場がないこともあり、むしろ防水機能のないスマートフォンより危険です。

外気温近くまで冷えたスマートフォンを暖かい部屋に持ち込むと、内部に結露が生じる可能性があります(写真はイメージです)