【レビュー】

Windows 10 Insider Previewを試す(第38回) - One Coreの改善に留まったビルド11099

 

2016年1月13日(現地時間。日本は14日早朝)、Microsoftは2016年初のWindows 10 Insider Preview ビルド11099をリリースした。残念ながら本ビルドも大きな変更は加わっておらず、Microsoft Engineering Systems Team担当CVPのGabriel Aul氏は「Windows共通のコアとなるOneCoreの最適化に務めた」とブログで説明している。

新機能搭載を見送ってコアの改善を進めるMicrosoft

2016年当初からAul氏はTwitterで「新ビルドの開発を進めている」と進展状況を説明し、新ビルドをWindows Insider Programに提供することを明らかにしていた。その発言に沿えば1月10日前後(現地時間。以下同様)にはリリースする予定だったが、何らかの理由で遅延が発生したのだろう。

BuildFeedによるRS1(Redstone 1)の進捗状況を見る限り、年末年始も社内でビルドを更新し、非公開のビルド11098は1月7日にコンパイルされている。今回のビルド11099も1月9日にコンパイルし、4日間のテストを経て公開に至ったのだろう。遅延した理由として考えられるのが、ビルド11099に対する既知の問題だ。Microsoftは2つの問題を確認済みと説明し、以下の2つを挙げている。

  • Citrix XenDesktopの仮想マシン上のWindows 10 ビルド11099は正しく動作せず、OS自体を破壊する可能性があるため、MicrosoftはSlow(低速)リングへの変更をうながしている。
  • Adobe Flashに依存する一部のアプリケーションは起動時にクラッシュする問題を確認済み。具体的にはSkypeやQQ、WeChatの名前を挙げているが、Internet ExplorerやMicrosoft Edgeは含まれない。

Aul氏は本ビルドでも「OneCore」の最適化に努めてきたと述べているが、こちらは前回のビルド11082でも同様の説明を行っていた(参考記事)。そもそもカーネルの改善は一朝一夕に終えるものではない。同氏は「コードのリファクタリングと他のエンジニアが行ってきた作業を(融合させることで)新機能と改善を実現する」と説明するように、現時点でWindows 10 Redstone 1はスタートを切るための準備を行っている状況と捉えるべきだろう。

変更点はない、といいながらも軽微なバグ修正は各所に施されている。例えばビルド11082で発生したファイル操作の進捗を示すダイアログは復活し、言語パッケージやオプション機能といったオンラインベースで追加するコンテンツのインストールは正しく動作することを確認した。

ファイルコピー/移動時のダイアログは復活。進捗を示すプログレスバーも以前のように表示されていた

「オプション機能」から任意のコンポーネントを追加してみたが、問題なくインストールできる

また、筆者の環境ではビルド11082で0x80080005エラーが発生して動作しなくなった「Skypeビデオ」だが、ビルド11099では拍子抜けするほど簡単に起動している。なお、Hyper-Vを有効にした環境では「Bcdedit.exe」で一時的に無効にしている場合も再度有効になるのは前ビルドと同じだ。他の仮想環境ソフトウェアを使っている場合は注意が必要である。

筆者の環境だけかもしれないが、Skypeビデオが正しく動作するようになった

Hyper-V有効環境では他の仮想環境ソフトウェアがバッティングし、使用できない。その場合は管理者権限を持つコマンドプロンプトから「bcdedit /set hypervisorlaunchtype off」を実行し、PCを再起動する

「設定」を徒然と確認してみたが大きな変化は見つからず、「イベントビューアー」では「モバイルコンパニオン」に関するエラーが発生していたが、アプリケーション自体は問題なく動作した。さらにデスクトップ版Skypeは再起動プロセスのエラーが記録されていることを確認したが、アプリケーション自体は正常に動作している。

ちなみにInsider Previewとは直接関係ないが、ちょうど本日14日から一部のWindows Insider向けに、iOS版Cortanaベータプログラムの招待メールが届いている。米国および中国では2015年12月からベータテストを開始しているが、ようやく日本でも始まるようだ。送信元は日本マイクロソフトのため、Windows Insider Programに参加している本誌読者の手元にも順次届くことだろう。

述べてきたようにビルド11099はカーネルの改善に留まり、新機能の実装は見送られている。だが、2016年中にリリースするといわれているRedstone 1に向けて、どのような展開を見せるのか興味は尽きない。今年も本連載でご報告していく。

阿久津良和(Cactus)

前回の記事はこちら
・Windows 10 Insider Previewを試す(第37回) - 次期大型アップデート「Redstone」へ続くビルド11082
http://news.mynavi.jp/articles/2015/12/18/windows10/
バックナンバー 一覧へのリンク
http://news.mynavi.jp/tag/0021413/
Windows 10 すべてがわかる特集記事はこちら
【特集】~インストールから設定・活用まで~ すべてが分かるWindows 10大百科
http://news.mynavi.jp/special/2015/windows10/
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