【レポート】

女性に原因がある「不妊」、検査はいくらかかる? 治療法は??(後編)

 

「女性不妊」の治療法は?

女性に不妊の原因がある「女性不妊」。今回の後編では、具体的な治療法や妊娠と年齢の関係について解説します。なお、女性不妊の基本検査については前編をおさらいしてみましょう。

タイミング治療で妊娠しない場合

これらの基本検査で問題がなく、女性の年齢が20~30代であれば、タイミング治療から行います。1カ月での妊娠率は、20代で約20%、30代で約10%ですが、タイミング治療で妊娠する方の約70%は6カ月の間に妊娠されます。ですので、その間に妊娠しない場合は、検査ではわからない原因がある、と考えます。

そのうち多いのは、卵子が卵管に入っていない、つまり、精子と出会えていない、という理由です。卵管の端は、イソギンチャクのようにふわっとしていて、排卵した卵子をうまく掃きこむようにできています。しかし、卵管の端がなんらかの理由で卵巣と離れていると、卵管そのものに問題はなくても卵子がうまく入ってきません。特に、子宮筋腫、子宮内膜症、虫垂炎など骨盤内の炎症といった病気にかかったことがある場合や、近年増加しているクラミジア感染症の場合は、卵管の端が卵巣と離れる原因になります。

性交渉や人工授精で精子は卵管まで到達していても、卵子が入ってこなければ、もちろんのことながら精子と卵子は出会えません。困ったことに、実際に精子と卵子が出会っているかを確認する方法はありません。卵子は0.1ミリで超音波にもうつらないからです。ですから、原因不明でタイミング治療(人工授精を含む)を試みても一定期間妊娠しない場合は、「体外受精」で卵子と精子を出会わせる治療をします。

体外受精をしても妊娠できない場合

体外受精で受精卵はできているのに妊娠しない場合、その原因は、受精卵の問題が約80%、着床する子宮側の問題が約20%といわれます。受精卵が原因となるのは主に染色体異常で、受精後に成長せず自然淘汰(とうた)されるものです。卵子はうまれたときの数をピークにあとは減少していくのみなので、加齢と共に染色体異常の率が増えます。32歳頃より染色体異常率が増え始め、特に37歳頃より増加が顕著になり、妊娠率が低下します。もちろん40代でも正常卵子はありますが、妊娠率は確実に下がっていきます。

自然妊娠で、どうしても子どもを2人欲しい場合は27歳までに、1人なら32歳までに妊活を開始したほうがよい(体外受精も可ならそれぞれ31歳、35歳)という報告が2015年、ヨーロッパ生殖医学会でありました。妊娠は1人ではできないので、なかなか難しいことも多いですが、ちょっと心にとめておいてください。

子宮の着床力と年齢

着床については、まだ謎な部分が多いです。子宮の着床力は年齢とは関係なく、アメリカでは、20代の提供卵子を用いた体外受精であれば40代でも20代と同じ妊娠率となっています。一方、同じ年齢の卵子であれば、2人目不妊のほうが1人目不妊より体外受精での妊娠率は高いので、なんらかの着床因子が関係しているのは確かです。また、子宮内腔に子宮筋腫や内膜ポリープがある場合は、手術による切除が勧められます。

女性の不妊治療について、お分かりいただけましたか。まずは基本検査を受けて、信頼できる医師のもと、原因に応じた治療法を検討しましょう。また未婚の女性も、将来子どもが欲しい場合は、妊娠に適した年齢や妊娠しやすい体づくりを意識してみてくださいね。

※すべて費用は診療機関で一度ご確認ください
※画像と本文は関係ありません

記事監修: 船曳美也子(ふなびき・みやこ)

1983年 神戸大学文学部心理学科卒業、1991年 兵庫医科大学卒業。産婦人科専門医、認定産業医。肥満医学会会員。医療法人オーク会勤務。不妊治療を中心に現場で多くの女性の悩みに耳を傾け、肥満による不妊と出産のリスク回避のために考案したオーク式ダイエットは一般的なダイエット法としても人気を高める。自らも2度目の結婚で43歳で妊娠、出産という経験を持つ。2013年10月9日、「婚活」「妊活」など女性の人生の描き方を提案する著書『女性の人生ゲームで勝つ方法』(主婦の友社)を上梓。
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