【レポート】

ビッグデータの利活用にあらず、「omni7」で重視するものとは? - セブン&アイ・ホールディングス鈴木康弘CIOに聞く(前編)

1 なぜオムニチャネルに取り組んだのか

 
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セブン&アイ・ホールディングスが、11月からオムニチャネルを具現化した「omni7」を本格スタートさせた。オムニチャネルはリアルとネットの融合と表現される取り組みだ。セブン-イレブン、イトーヨーカ堂、そごう・西武など、傘下企業計8社の商品が統合ショッピングサイトの「omni7」で購入でき、自宅への直接配送ほか、セブン-イレブン、イトーヨーカドーなど対応店舗でも受け取りが行える。セブン-イレブンでは返品も受けつけ、利便性を高めたのが特徴だ。セブン&アイ・ホールディングス取締役執行役員最高情報責任者(CIO)の鈴木康弘氏に、「omni7」開始までのいきさつからポイントまでを聞いた。

鈴木康弘(すずき やすひろ) 1987年大学卒業後、システムエンジニアとして富士通に入社。ソフトバンクを経て、2000年にイー・ショッピング・ブックスの代表取締役に就任。2007年に日テレ7の取締役を務めるなど、IT・メディア業界に従事。以後も要職をこなしながら、2014年3月からセブン&アイ・ネットメディア代表取締役(現任)に就く。同年12月にセブン&アイ・ホールディングス執行役員最高情報責任者(CIO)に就任、現在はセブン&アイ・ホールディングス取締役執行役員最高情報責任者(CIO)。omni7の実現にあたって陣頭指揮をとった

――「omni7」開始の背景について教えてください。

もともと、ネットとリアルの融合をしようとは考えてはいました。セブン-イレブンをより近くて便利な存在にしていくことがベースにあり、そうしたなかでネットの文化がだんだんと身近になってきたことが背景にあります。

特に2008年にスマートフォンが登場したのが大きかったですね。いつでも、どこでも、ネットにアクセス可能になり、買い物のあり方も変化しました。だから、我々もグループ全体でお客様に近づいていこうと考えたわけです。

"オムニチャネル"という言葉自体は、2011年に米国から出てきたものですが、これはいい言葉だなと、当時から思っていました。そして、弊社グループでもできないかと考え、やろうと決まりました。

――それはいつのことですか。

日付までよく憶えています(笑)。2013年8月30日でした。「セブン&アイ・ホールディングス戦略会議」という全事業会社のトップが集い、グループの方向性をディスカッションする会議で決まりました。

――当初は何をやろうと考えていたのですか。

どうせやるなら、ネットとリアルを単に融合させるだけではなく、セブン-イレブンの店舗を活用しながら、「いつでも、どこでも、誰でも、商品が買える」をキーワードにしようと考えました。

その後、全米小売業協会主催のオムニチャネル関連のイベントがあると聞いて、当初は私ひとりで参加する予定だったのですが、急遽、事業会社の社長約50名と一緒にそこへ出かけることになりました。百貨店のメイシーズをはじめ各所を視察し、講演なども聴いて全10日間の日程だったのですが、各事業会社の社長たちが同じものを見て、聞いていると自然に意識が合ってくるんですよ。

すると、だんだんと我々セブン&アイHLDGSが新しいオムニチャネルをつくれるのではないか、という意識に変わっていきました。米国でオムニチャネルに取り組んでいる企業はどこも単一業態でしたし、我々は世界でも類を見ない様々な業態をもったグループであり、お客様との接点では、セブン-イレブンがある。この2つを生かしていこうという共通認識が生まれました。

思い返しても、あのツアーがなければオムニチャネルはできなかったと思います。みんなが集まると、いまでもその話になります。

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インデックス

目次
(1) なぜオムニチャネルに取り組んだのか
(2) 先を見据えたカスタマーエクスペリエンス
(3) 「omni7」で重視すること

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