すきじかんの狙い

初めての氷彫刻、最初はどうなることかとヒヤヒヤしたが(氷だけに)、清水先生のサポートを受けつつ作りきることができた。所要時間は2時間くらいだろうか。この体験が6,000円というのは、正直かなりお得だと思う。

氷彫刻の体験自体は、実は「すきじかん」でなくても直接申し込むことができる。しかし、「すきじかん」でチケットをもらわなければ、果たして自ら探しだして申し込んだだろうか……。

実はそこにこそ「すきじかん」の価値があると語るのは、NTTドコモ・ライフサポートビジネス推進部の小川敦さんだ。世の中には面白い体験ができるチャンスがいくつも転がっているのに、そこにたどり着くために「検索」したり「申し込み」したりといった手間があるために、多くの人は途中で面倒になってやめてしまう。さらにいうと、そもそも知らなければ検索すらできないのだ。

「すきじかん」は毎月6,000円支払うこともあり、チケットが送られてきたら「使わなきゃ」という気にさせられるし、毎回内容が充実したカタログも届くから、読んでいるうちにだんだんやってみたくなる。腰が重い人を引っ張っていってくれる仕組みが整っているのだ。しかも、体験は1回あたり6,000円のチケットを一枚使えば可能なので、普通に申し込むよりもかなりお得に体験できることも多い(少なくとも損はしないという)。

自分で積極的に動ける人はそれでもいいだろうけど、そうではない人がいろいろな経験を積むのに「すきじかん」はとても魅力的なサービスなのだ。

しかし、なぜスマホと関係なさそうな「すきじかん」なんてサービスをドコモが行っているのだろう。何か裏があるんじゃないかと勘ぐって聞いてみると、「すきじかんはお金と時間と元気があるアクティブシニア向けのサービス。ちょうどその層はスマートフォンユーザーがまだ少ないので、スマホから申し込めるすきじかんをきっかけにスマホに興味を持ってもらえたら」という回答が。もっとも、「まずはサービスそのものを広げて、趣味を持つことの楽しさを知っていただきたいというのが一番です」とのことで、あまり損得勘定はしていないらしい。たしかに、ドコモユーザーでなくても、スマホユーザーでなくても、「すきじかん」は使えるしね。

「すきじかん」は神サービスかもしれない