「持ち歩きたくなる水」をコンセプトに、新開発の“落ちないキャップ”が付いたフロムアクアを紹介する、JR東日本ウォータービジネス 取締役営業本部長 本間雅人氏

12月11日、東京秋葉原 UDXギャラリーNEXTにおいて、マイナビニュース主催の「マイナビニュースフォーラム2015 Winter for データ活用」が開催された。このフォーラムは「商品開発からリスク管理、マーケティングまで――デジタルビジネス時代のデータ活用法を探る」をテーマに、各業界で先進的なデータ活用に取り組んでいる企業が登壇。

今回はその中から、「自販機イノベーション ~ 小売業としての自販機を追求 ~」と題したJR東日本ウォータービジネス 取締役営業本部長 本間雅人氏の講演をレポートしよう。

JR東日本ウォータービジネスは、エキナカを中心とする飲料自販機事業、JR東日本向け清涼飲料の仕入・卸売業、谷川岳の湧水を活用したオリジナル商品開発、地産飲料等の企画・開発・販売を手がける企業だ。

JR東日本ウォータービジネスの事業概要

本間氏は冒頭でJR東日本エキナカ自販機の売上推移を示し、「自販機設置台数は2006年度が9,440台、2014年度が1万53台と約6%しか増えていないのに対して、売上は187億円から275億円と約50%の増加を遂げています。これは、小売業としての視点で自販機を追求した『自販機イノベーション』の成果です」と語った。

JR東日本エキナカ自販機の売上推移

本間氏によれば、ここまでの売上増加を実現できた理由としては、まず顧客目線で自販機ビジネスを再構築したことが挙げられるという。これまでの自販機は、1台で単一飲料メーカーの製品のみを提供する「単一メーカーブランド機」が主流だったが、小売店舗としての自販機を目指し、複数飲料メーカーの売れ筋商品を展開する「ブランドミックス機」を導入した。

また、駅という限られたエリアでの最適な自販機配置を追及するべく、顧客ニーズに応じたロケーション改革を実施。自販機の追加設置や撤去で売上比較を行った結果、自販機の商圏は狭いため、分散配置が売上の最大化につながることが分かったという。

さらに、電子マネー「Suica」対応の自販機を導入拡大し、駅という顧客の利用シーンを考慮し、購買ステップの最小化を図ったことも売上増加に貢献したという。

エキナカ自販機の交通系電子マネー利用率推移