新潟市にある第四銀行本店の金融資料展示室。そこには、同銀行と合併した旧新潟貯蓄銀行が100年前に発行した「100年定期預金」の証書がある。この証書は寄付されたもので、家族の居場所も分からないため同展示室に保管されているのだが、同じ年に発行された「100年定期」の他の持ち主が証書を窓口に持ってくれば、額面通りに支払われるという。

「100年定期預金」、当時預けた金額の339倍に

この「100年定期」は、大正天皇の即位を祈念して大正4年に募集されたもの。年利6%で1年複利だったという。当時1円を預けたとしたら、今年には339円30銭にもなっている計算で、貨幣価値とは連動せず額面通りの金額しか受け取れないとはいうものの、339倍になっているわけだから、すごいものだ。

第四銀行の金融資料展示室にある「100年定期預金」の証書

第四銀行本店広報室によれば、旧新潟貯蓄銀行と第四銀行が合併した時点で、第四銀行に「100年定期」はなかったため、本来は第四銀行の他の定期預金にしてもらうか、解約してもらうかしてもらうべきものだった。だが、今年になって本店に1件、100年定期の証書があるとの問い合わせがあったという。

現在どのぐらい「100年定期」の証書が残っているかは不明だ。第四銀行の広報担当者は、「100年定期」が残っている可能性について、「個人的な見解だが、代々受け継がれたものという歴史的な価値があるものなので、せっかくだからもっておこうという意図があるのではないか」と話す。

さらに、「定期預金」の意義については、「長い期間手をつけずに残しておきたいという想いがあり、それが『100年定期』にも共通するものではないか」と話している。

冬のボーナスをお得に貯めるには?

そこで、100年前から現代に戻ってみると、冬のボーナスが支給されるこの時期、各銀行でもさまざまな定期預金のキャンペーンが行われている。ネット銀行を中心に、そのいくつかを見てみよう。

住信SBIネット銀行では、14日から、「冬の"資産運用"応援特別企画」として円定期預金に特別金利を適用したキャンペーンを開始している。期間は、12月14日~2016年2月28日預入れ手続き完了分までで、対象となる顧客は、住信SBIネット銀行に口座を持っている顧客。預入期間「6カ月」「1年」の円定期預金が年0.20%の特別金利となっている。詳細はこちら

住信SBIネット銀行「冬の"資産運用"応援特別企画」

同じくネット銀行のソニー銀行では12月1日、冬の特別企画として円定期特別金利などのキャンペーンを開始。円定期特別金利のキャンペーンでは、円定期預金(期間6カ月・1年)および積み立て定期預金(1年)を特別金利に提供する(12月1日時点の金利、年0.25%)。対象は新規に申し込む円定期預金および対象期間内に預け入れる積み立て定期預金と対象期間中に満期を迎え、自動継続となる円定期預金および積み立て定期預金。期間は、12月1日~2016年2月29日。また、「振込&円定期で現金プレゼント」キャンペーンでは、総額100万円以上の振込&円定期預金(6カ月または1年)の残高増加で一定の条件を満たした顧客に500円~5万円の現金をプレゼント。期間は、12月1日~2016年2月29日、増加額判定日時は2016年3月31日(木)午後11:59となっている。円定期特別金利のキャンペーン詳細はこちら

ソニー銀行では12月1日、冬の特別企画として円定期特別金利などのキャンペーンを開始

楽天銀行では11月16日から、「円定期預金 冬のボーナス金利キャンペーン」を開始。12月30日の預入れ完了分までのキャンペーン期間中、対象の円定期預金(1年)(定期預金積立購入または「元利自動継続」、「元金自動継続」による継続分も対象)を預け入れた人に、特別金利年0.25%を適用する。詳細はこちら

楽天銀行「円定期預金 冬のボーナス金利キャンペーン」

またセブン銀行では、個人向け口座数150万口座突破記念として、「定期預金 冬の特別金利キャンペーン」を14日から実施。期間は2016年1月31日までとなっている。対象商品は預入期間が1年の定期預金で、年0.20%の特別金利が適用される。なお、セブン銀行の定期預金には、他の銀行の定期預金とは違う大きな特徴がある。一般的には100万円を定期預金として預けて10万円だけ使いたいと思ったら、100万円全てをくずさなければいけないが、同社の定期預金は、10万円を普通預金に振り替えて、残り90万円はそのまま普通預金より金利が高い定期預金として残しておくことが可能なのだ。また、預入金額も、1万円以上1円単位でATMからも作成可能。普通預金から、すぐに使わないお金の一部を1万円から定期預金にでき、いつでも一部解約できる。キャンペーン詳細はこちら

セブン銀行「定期預金 冬の特別金利キャンペーン」


冒頭の「100年定期」のエピソードで述べたように、定期預金には、何かしらの想いが込められている場合も多い。海外旅行など近い将来の楽しみのためという場合、子供の教育資金のためという場合など、その想いはさまざまだと思われるが、その想いを実現するため、各銀行が行っている定期預金のキャンペーンもチェックしてみるのもいいかもしれない。