Appleは、独自のプログラミング言語「Swift」を2014年に公開し、2015年にはSwift 2をリリースした。今後も年次更新のしていくことになるであろうSwiftの進化は、他のAppleのプロダクトとは異なる進化を遂げて行くことになりそうだ。6月のWWDC15の基調講演でひときわ喝采を浴びた発表は、Swiftのオープンソース化だった。

WWDC15でSwiftのオープンソース化を発表した、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長、クレイグ・フェデリギ氏。長らく開発者たちは具体的な発表を待っていたが、Appleからの回答は予想を上回るものだったとの声も大きい

オープンソース化とは、簡単に言えば、自由にソースコードが入手でき、派生物を作ってこれも配布できるなどの条件で、自由なソフトウェアの存在を認めることだ。

オープンソース化で有名なプロジェクトは、1990年代後半のNetscapeのオープンソース化だろう。Microsoft Internet Explorerにシェアを奪われ続ける状況を打破するために取り入れたのが、オープンソースの開発方式であり、これによってFirefoxが生まれ、現在でも人気のブラウザとして存続している。

競合がオープンソース化によって息を吹き返した様子を見ていた当のMicrosoftも、2014年に.Net Coreをオープンソース化し、ビジネスのコアともなる言語を開発者とともに進化させる道を選んだ。同社の開発ブログでは、7カ月後の段階で、コントリビューター(携わる人)の数が、社内の人数を上回ったという。

またTwitterのレスポンシブデザインを実現するBootstrapも、人気のあるオープンソースコードの一つだ。大企業がオープンソースを活用する理由は、ノウハウ流出につながるとの懸念を超えて、優秀な社外のエンジニアへの参画を促したり、シェアを高める上で重要な手法になっている。