【レポート】

Apple Watchが実質1万円以上割引に - 神奈川県「未病産業」創出の取り組みで

 

Apple Watchの柱となる機能の一つは、iOSの「ヘルスケア」と連動で様々な身体の情報を記録できることだ。しかし、日頃の心拍数や通常の消費カロリーが分かっても、それが良いのか悪いのかは素人では判断できない。それを専門的にチェックしてもらえるサービス(Apple Watch Sport本体が付属)を、神奈川県が実施する「未病関連商品等の割引販売」の助成により割引きで購入できる取り組みが、県内の一部店舗で行われている。

アンケートとデータ提出で、Apple Watchが実質1万円以上割引に

このサービスは、株式会社チェンジが提供する「健康状態の見える化サービス」というもの。Apple Watch Sportを使用して計測した心拍数・消費カロリーと、身長・体重から、肥満度などの健康状態をレポートしてもらえる。同年代平均値との比較や医師監修によるアドバイスにより、自分の健康状態を客観的に把握することができる。これはもともと同社が法人向けに提供しているサービスで、導入先の企業からは好評を得ているという。

利用者は商品購入後に購入者登録・初回アンケートの回答を行い、iPhoneとのペアリング(iPhone 5以降が必要)を行ったら28日間Apple Watchを装着してヘルスケアデータを収集する。データの収集にはiOS/Watch OSに元々入っている「ヘルスケア」アプリが使用され、独自のアプリをダウンロードする必要はない。また、Apple Watchは身につけているだけで自動的にデータを収集してくれる。

28日間使用した後、送られてくるメールの案内に従ってデータの送信と使用後アンケートへの回答を行う。このデータを元に後日健康状態のレポートが提供されるという流れになる。

今回は県の助成により「健康状態の見える化サービス Apple Watch Sport 38mm付き」が通常6万8,000円(税抜・以下同)を4万2,800円で、同42mm付きが通常7万4,000円を4万8,800円で販売される。また、最後のデータ送信・アンケートの回答までを完了すると、交付金による助成で2,000円(38mm)または4,000円(42mm)のギフトカードがチェンジ社内の健康状態の見える化サービス運営事務局より送られる。さらに、チェンジ社の行う独自キャンペーンにより同事務局から1万円分のギフトカードが別途プレゼントされる。

いろいろと手順が必要になるが、実質的にApple Watch Sport 38mmが1万2,000円分のギフトカード付き、42mmが1万4,000円分のギフトカード付きで購入できるということになる。

対象者は神奈川県在住、在勤在学中、あるいは県内キャンペーン対象指定店舗でこのサービスを購入した方。キャンペーン期間中に全てのアンケートとデータ提出を完了することが条件だ。データの提出期限が1月31日なので、遅くとも1月3日までに購入・4日よりデータ収集を開始する必要がある。対象となる店舗は、Apple Premium Reseller C SMART ららぽーと横浜、ビックカメラ 新横浜店、など。

その他、条件詳細は特設ページにて。iPhoneを使用中で日頃の健康状態が気になる方、Apple Watchを使ってみたい方には良いきっかけになるだろう。

神奈川県が打ち出す「未病」コンセプトとは?

今回このサービスに対する助成は、神奈川県が推進する「ヘルスケア・ニューフロンティア」施策に関連して行われているものだ。神奈川県庁で同事業を推進する兄内宏氏、平田誠氏にお話を伺った。

神奈川県 ヘルスケア・ニューフロンティア推進局 未病産業・ヘルスケアICT担当課長 兄内宏氏

同 事業推進担当 平田誠氏

神奈川県は2013年に人口に占める65歳以上の割合が21%を超え、WHOが定義する「超高齢社会」に突入した。ヘルスケア・ニューフロンティアは、今後さらに進行する超高齢社会を乗り越えるために、「最先端医療・最新技術の追求」という産業政策的な側面と、「未病を治す」という保健福祉的な側面の二つのアプローチにより、知事の肝いりで推進されている施策だ。

そのひとつ、新しい医薬品・医療機器の開発製造と健康産業の創出を掲げた特区事業では、川崎市臨海部に企業の研究拠点が設置され、県と民間の共同プロジェクト「ライフイノベーションセンター(仮称)」が、再生・細胞医療の実用化・産業化に向けた拠点施設として来年度より稼働する予定だ。こうした医療・技術産業と並び事業の柱となっているのが「未病」コンセプトに基づく取り組みだという。

兄内氏 「県では、健康と病気を数値で切り分けるのではなく、人間の体はその間で連続的に変化している発想に基づき、その変化の過程を表す概念として『未病』を定義しています」

具体的には、「未病産業」という新たな産業の創出を目的に、県と企業・団体による「未病産業研究会」を設立。勉強会やビジネスマッチング、公募によるモデル事業を実施している。また、未病の科学的根拠を確立することを目的に研究機関と連携したり、「ME-BYO」という表記で商標登録を行い産業創出へ向けたブランド化を図るといった取り組みを行っている。

これらの取り組みの一環として実施されたのが、政府からの地方創生交付金を活用した「未病関連商品等の割引販売」だ。対象となるのはがんリスク検査やスポーツジムのトレーニング、サプリメント、歩数計といった「未病を治す」に資する商品・サービス。公募から一定の条件で県が選定し、交付金による助成で、市場価格の30~40%引きで販売されるという内容だ。株式会社チェンジの事例はそのうちの一つである。

いわゆるプレミアム付き商品券の対象商品・サービスを絞ったような形のものだが、株式会社チェンジの事例でも紹介した通り、他の商品・サービスでもアンケートなどのモニター調査への協力を販売条件としている。

平田氏 「今回の調査で得られた内容は今後の取り組みに活かしていけるものになると思っています」

未病は、行政が扱うにしてはまだ柔らかすぎるようにも見えるが、Apple Watchを使ったサービスが選定されたのはその柔らかさ所以と言える。同施策の中では未病産業の創出に向けた取り組み項目としてウェアラブル機器などを使った未病の「モニタリング」も挙げられていた。今回の交付金事業とは別に長期的なモデル事業としてもウェアラブル機器を用いたサービスが採択される機会も出てくるかもしれない。

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