【レポート】

トヨタ新型「プリウス」試乗! "クルマとひとつになる"新構造「TNGA」を体感

 

トヨタ自動車が12月9日に発売した、4代目となる新型「プリウス」。世界のハイブリッドカーをリードする燃費性能は、とうとう40.8km/リットル(JC08モード走行燃費)にまで達した。また、トヨタのクルマづくりの構造改革「Toyota New Global Architecture(TNGA)」を導入しており、「走りの楽しさ・乗り心地のよさ・静かさ」を追求したという。今回、その新型「プリウス」に試乗することができた。

トヨタ新型「プリウス」の発売に合わせ、都内で試乗会も実施された

乗る人のことを考え抜いたインテリア

新型「プリウス」は、40.8km/リットルの低燃費を実現した「E」グレードの他に、「S」「A」「A プレミアム」などのグレードをそろえており、今回試乗したのは2WD車の「A プレミアム」(プロトタイプ)。骨格からクルマを見直した「TNGA」の低重心スタイルを実現するため、先代モデルより全高が20mm低くなっている。フロントエンドは70mm、リアエンドは55mm低くなり、シャープなフォルムに進化した。

乗り込んでドアを閉めると、車内の静かさに驚く。「プリウス」の特徴である静粛性を高剛性ボディーでさらに高め、エンジンノイズを特定の周波数で打ち消すなど、工夫を施したからだという。細部まで遮音性を向上させたことで、車内にいることを忘れてしまいそうになるほど。制振材を設定し、ドアの開閉音も静かになったとのこと。

シートの座り心地も変化。シートの剛性を部位によって変えたため、走行中のホールド感が向上した。座面の真下がやわらかく、その周りがかたくなるため、座位に集中しがちな圧力を分散できるようになったという。それを感じたのは、30km/h以上の速度でスラローム通過したとき。右へ左へ重力がかかる中、姿勢がまったくぶれない。シート内のバネの位置も調整され、長時間のドライブでも腰や筋肉への疲労を軽減できるようになった。

先代モデル(写真左)と新型「プリウス」(同右)のサイドビュー。新型のほうがシャープなラインになっている

低重心で、頭上空間も広々としている

フロントコンソールも広く取られた

視野の拡大と、思い通りに動くステアリング

新型「プリウス」では視野の拡大にも成功している。先代モデルより着座位置が60mm、ボンネットが60mm下がったことで、いままで見えなかった手前の路面まで見えるようになった。視野を遮らないように、室内からワイパーが見えなくなる工夫もされてある。

ステアリングはどうだろうか? 試乗会でドライバーを務めたラリードライバーの番場彬氏に聞くと、「いままでのステアリングに比べ、少ない操作で動かせるようになりました。180度ほど切らなければならなかったカーブも、こぶしひとつ分くらいの余裕が生まれ、ハンドルを持ち変える回数が減ったので、疲れにくいですね」と答えている。

さらに向上したのは車体の安定性だ。新型「プリウス」では、リアにダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用。サスペンションを左右独立させたことで、路面からの衝撃を分散して吸収する。ハンドルを大きく切っても、外側のタイヤが力を受け止めるため、しっかりとした走行が可能になった。

先代モデル(写真左)と新型「プリウス」(同右)の目線の違い。手前の路面まで見えるようになった

カーブを曲がるときのハンドル操作も簡単になったという

シフトレバーやオートエアコンは視線移動が少なくなるように配置された

ブレーキの油圧を調節したことで、"カックン"も軽減

筆者がとくに驚いたのはブレーキだ。通常、クルマが停止するとき、車体が"カックン"と揺れることがある。減速によって前傾した車体が、停止したときに水平に戻ろうとする現象だが、新型「プリウス」ではその"カックン"がほとんどなくなっていた。

ブレーキには、従来のモーターを回転させて発電できる回生ブレーキと油圧ブレーキを合わせた「回生協調ブレーキ」を搭載。トヨタ自動車製品企画本部ZF主幹の菅野伸介氏によると、「停止時の油圧を調節し、摩擦を軽減させています。踏み込むときと、停止して弱めたときの油圧を細かく調整し、スムーズな減速を確立しました」とのこと。

「もっといいクルマづくり」のキャッチコピーの下、基本構造から改革した新型「プリウス」。今後のトヨタ自動車の指標となるべきクルマにおいて、「かっこいい」「運転しやすい」「低重心」がとことんまで突き詰められている印象だった。実際に運転した番場氏は、「ドライバーの思い通りの動きをしてくれるので、『クルマとひとつになっているな』と実感できました」と話していた。

新型「プリウス」の価格は242万9,018~339万4,145円(税込)。全国のトヨタ店・トヨペット店・トヨタカローラ店・ネッツ店を通じて販売される。12月19・20日に店頭発表会、年明けの1月9~11日には店頭試乗会が行われるとのことだ。

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