―― デジタルアンプ「DDFA」に変更はありますか?

大島氏:搭載されているチップセットはPMA-50とまったく同じ、CSRA6600とCSRA6601です。ただし、周辺のデバイスとの組み合わせや使いかたという点でPMA-50とは異なりますから、出てくる音は同じではありません。PMA-50のときデノン開発チームにノウハウが蓄積されたのでしょう、開発がとてもスムーズに進んだという印象はありますね。

山内氏:マスタークロックのスペックは変わりませんが、パターンを引いて部品を実装するため周囲のノイズの影響を受けますから、実装密度が高かったPMA-50に比べ有利に改良できました。きょう体サイズが上がり、より最適なレイアウトが可能になったというわけですね。ジッター低減などに効果が出ていると思います。

シーエスアール 大島勉氏

―― PMA-50のときはデノン開発チームと一緒に音を詰めていったそうですが、今回も同様でしたか?

大島氏:そうですね、PMA-50のときほどの回数ではありませんが、開発プロジェクトの最初の段階で我々のデモンストレーションを行い、回路を組み音を確認して、という進行は同じです。その各ステージにおいて、日本と欧州とで両社のエンジニアが協議し、製品として詰めていくわけです。

―― 最後に、この製品シリーズの今後とDDFAのこれからに期待することは?

山内氏:大島さんを前にすると言いにくい部分はありますが(笑)、DDFAにはスペック向上もさることながら開発者にとってより使いやすい、面白味を感じるデバイスになってほしいですね。よりハイエンド層にアピールする部分が強化されるとうれしいかと。ダイサイズが小さくなれば設計の自由度は増しますし、あくまでアイデアですが、2基使いでLRのディスクリート構成にするといったことも試してみたい。

大島氏:現行のCSRA6600はLR独立のディスクリート構成も可能ですが、8ch対応というデジタルアンプとしては珍しい特徴がありますよ。

宮原氏:デザインシリーズの今後ですが、より小型なものがいいのか、より高スペック・高級機路線がいいのか、さまざまなデータを踏まえ精査しているところです。今後新しいソリューションも出てくるでしょうし、シーエスアールさんの協力をいただきつつ進めていきたいですね。