Dragon Boardは、まさにボードのみの状態で販売される。ホビー用途としても普及しているRaspberry Piと比較すると、現在のところケースなどアクセサリ類の選択肢はかなり少ないため、ある程度の覚悟と準備のうえで導入に踏み切るほうがいい。

プリインストールのAndroid Lollipopを動作させるために最低限必要なアクセサリは、給電用のACアダプタ(6.5V~18V/2A)、ディスプレイ接続用のHDMIケーブル、そしてケース代わりの「高ナット」とネジだ。インプットデバイスとしてUSBキーボードとマウスも必須となる。

高ナットとネジは、ボードを宙に浮かせるためのもの。Dragon Boardの面積は名刺サイズでRaspberry Piとほぼ同じ、市販のRaspberry Pi用ケースに収めることは可能だが、端子の位置がことごとく異なるため流用は難しい。かといってチップ類があるため直置きは不可、手ごろなケースが発売されるまでは高ナットで浮かせて凌ぐしかない。

ボードを宙に浮かせるために購入した高ナットとネジ。近所のホームセンターで合計250円程度だった

高ナットとネジを取り付けたボードの裏面。手前左側には、ブートディスクの選択などに使うディップスイッチを確認できる

とはいえ、それだけそろえば準備は万端。あとはAC電源を接続すれば、Snapdragonのアニメーションが表示されたあと、eMMCにプリインストールのAndroid Lollipopがブートを開始する。

動作は安定しており、SoC(Snapdragon)やeMMCを覆うステンレスプレート上部の温度も室温~32度前後で推移した。高負荷の処理を長時間続ける用途でもないかぎり、特別な熱対策は必要なさそうだ。むしろ気になるのはLED。ブート時にはUSER LEDが、ブート後はWi-Fi(オレンジ)とBluetooth(青)が点灯する。特にBluetoothの青は目に焼きつくほどで、これがデスクトップで光り続けるのは厳しい。やはり常用するならケースは必須だろう。

Wi-FiのLED(オレンジ)はそれほど気にならないが、BluetoothのLEDは直視できないレベル。ケースはマストアイテムだ