寒くなると朝が辛く、会社に行きたくないという日があるだろう。そこで頭をよぎるのが仮病だが、「おばあちゃんに毒入りハムを食べさせられた」「ベッドの下から出られなくなった」――米国にはこんな言い訳で会社を休む人がいるそうだ。

米国のオンライン就職情報サイトCareerBuilderが恒例の年次調査「ありえない病欠の言い訳」を発表した。

この調査は病気欠勤について米国の組織・企業の現状を調べたもの。今年は、8月後半~9月初めにかけて、米国の約3320人の正社員、約2320人の人事・雇用担当管理職に調査している。

これによると、病気でもなんでもないのに病気を言い訳に会社を休んだ人の比率が今年は38%となった。これは2014年の28%から10ポイントのアップで、そのうちの27%が「病院に行く」と会社に伝えたとのこと。同じく27%が「気分がすぐれず、会社に行けない」と伝え、26%が「休養が必要」、21%が「睡眠が必要」、そして12%が悪天候を理由に会社を休んだ。

このような納得できる言い訳をする人もいれば、信じられないような言い訳を考えついた人もいる。人事担当者にありえない欠勤の理由を聞いたところ、次のような内容が挙がった。

  • おばあちゃんから毒入りハムを食べさせられた

  • ベッドの下から出られない

  • サンドイッチが落ちたので拾おうと手を伸ばしたところ、腕が折れた

  • 宇宙が会社を休むように命じている

  • 妻から嘘を見抜かれた。ゴミ箱から自分のものを取り出さなければならない

  • 髪をとかしていたら、櫛で目を刺してしまった

  • 妻が下着を全部洗濯機にいれてしまって代えがない

  • 医者からビタミンDが必要と言われたので、ビーチに行く

  • 飼い猫が車のダッシュボードから抜け出せなくなった

会社側は「社員を信頼している」と言いつつも、欠勤に対する態度は厳しくなっているようだ。

5社に1社に相当する22%が、嘘の言い訳をして会社を休んだことを理由に解雇したとしており、この比率は前回の18%からアップしている。

実際、3社に1社が本当に病気欠勤かどうかをチェックしているとのこと。チェック方法として多いのが病院からの証明書で、実際に従業員の家に電話をするというところもあった。

そして、32%の人事担当が、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアをチェックして、嘘だったことがわかったという。会社に連絡して仮病を使った後、「友達とランチ中」などの投稿は慎もう。

一方で、社員側も遠慮を感じており、会社が用意する有給休暇について、堂々と権利を使えないと感じている人が多いこともわかった。

27%が「なんらかの言い訳がないと有給が取れない」と感じており、この傾向は若いほど強かった。また、54%が「体調が悪くても会社に行った」と回答した。