日本マイクロソフトは2015年11月27日~28日の2日間、Windows 10の最新ゲームを楽しむイベント「GAME DAY」を開催する。場所は東京・秋葉原UDXだ。それに先駆けプレス向けにイベントの概要を紹介する説明会を開き、日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ ゼネラルマネージャーの高橋美波氏は「『Windwos 10でPCゲームを楽しむ』を合言葉に市場を盛り上げたい」と話した。

高橋氏はWindows 10の普及が順調であることを示しながら、Windows 10がPCゲームプラットフォームとして最適であると強く語る。具体例として、CPUやGPUの高速化、メモリーやストレージの大容量化によって、4K品質の映像処理が容易になったこと、およびWindows 10のDolbyマルチチャンネルサラウンド対応で没入感の高いゲーム体験を得られる点を挙げつつ、Game DVR機能やDirectX 12といったWindows 10固有の機能を並べた。

「PCゲームを生活の一部に広げたい」と語る日本マイクロソフトの高橋美波氏

先ごろリリースした「Windows 10 November Update」にも触れ、「将来的にCortanaがゲームナビゲーターになると面白い」と語っている。日本語版Cortanaは現在"育成中"であり、さすがに高橋氏の意見がすぐ実現するとは考えにくい。だが、Microsoftはアプリケーション側からCortanaをコントロールするAPIを公開するなど積極的な活動を行っており、将来的にCortanaがプレイ中のゲームに対してヒントを教えてくれるような体験もあり得るだろう。

さらに高橋氏は"One Windows"で得られるゲーム体験として、「異なるデバイスでも同じゲーム体験を得られるようにしたい」と、ユニバーサルWindowsプラットフォームで広がるPCゲームの可能性についても言及した。現在のPCゲームはWin32アプリケーションが大半だが、Microsoftは自社PCゲーム(Minecraft: Windows 10 Edition Betaや、Pinball FX Windows 10 Editionなど)のユニバーサルWindowsアプリ化を進めているため、こちらは既に実現しつつある。

「Xbox OneでもいずれCortanaが利用可能になる」と語る日本マイクロソフトの春日井良隆氏

次に登壇した日本マイクロソフト Windows本部 シニアプロダクトマネージャーの春日井良隆氏は、Windows 8とXbox Oneで行ったWindowsカーネルの統合に触れつつ、Windows 10のユニバーサルWindowsプラットフォームをアピールした。

続いてXbox Oneで実行中のゲームをWindows 10搭載デバイスでプレイするストリーミング機能を披露し、「家族にテレビを占有されている場合、Windows 10搭載デバイスでゲームを楽しめる」と説明。

必要なネットワーク帯域については「フルHDで楽しむ場合、4Mbps程度は必要。だが、解像度をコントロールする設定も用意されているため、快適に楽しめる」と語る。また、操作と表示の遅延については「コンマ何秒の差を求めるゲームタイトルはXbox One本体でのプレイをおすすめするが、一般的なゲームタイトルであれば気にならない程度」だという。

左下にあるXbox One上で動作するゲームタイトルをWindows 10にストリーミング配信し、その映像をメインディスプレイに表示させていた

Windows 10の「Game DVR(ゲーム録画)」についてもデモンストレーションを披露し、「動画サイトへのプレイ動画アップロードや、視聴して楽しむコミュニティが広がりつつある」と述べながら、Xbox Oneでプレイ中のゲームタイトルをGame DVRで録画して見せた。

また、動画をバッファリングし、過去にさかのぼって録画を行う"バックグラウンドで録画"も便利だという。Game DVR機能は15秒から最大10分までさかのぼれるが、PCのパフォーマンスが低い場合はゲームプレイがもたつくなど影響をおよぼす可能性があるため、環境に応じて選択したほうがいいだろう。

Game DVR機能で録画した動画をユニバーサルWindowsアプリの「Xbox」でそのまま編集できることをアピール

「ストア」で有料版を購入する際もWindows Helloの認証が使用できる

この他にもMicrosoft Edgeの高パフォーマンスをアピールするため、WebGL SamplesのAquariumFlight Arcadeをプレイした。特にFlight ArcadeはMicrosoft EdgeのWeb Audio APIやGamePad APIを利用しているため、BGMやアナウンスの個別オン・オフや、Xbox Oneワイヤレスコントローラーによるプレイが可能だという。

Microsoft EdgeのWebGL対応をアピールするため行った「Aquarium」のデモンストレーション

Microsoft製「Flight Arcade」でもプレイ。各種APIを用意することで、Microsoft EdgeがPCゲームプラットフォームとなり得る点を強調した

続いて今回のイベントに協力する各PCベンダーの代表者が登壇した。サードウェーブデジノス 取締役社長の田中基文氏は、自社の「GALLERIA ZI」を「スピーディ、ハイクオリティ、パワフル、チャレンジングという4つのコンセプトで開発した」と説明。Project White 代表取締役の鈴木淳一氏はツクモの「G-GEAR」ブランドについて、「とあるゲーム媒体の顧客満足度を4年連続で最優秀賞を頂いた。特にMiniシリーズは学生や女性の購入比率が高い」とPCゲームに対するニーズの高さを強調した。

左からサードウェーブデジノスの田中基文氏、Project Whiteの鈴木淳一氏、マウスコンピューターの小松永門氏、ユニットコムの石田雅人氏、そして日本マイクロソフトの高橋氏

マウスコンピューター 代表取締役社長の小松永門氏は「G-Tune」シリーズを紹介。「我々は1994年から『PC用途の1つにPCゲームがある』という考えを持ってきた。幅広いラインナップでPCゲーム市場を応援する」と語った。最後のユニットコム 執行役員 販売企画部部長の石田雅人氏は2015年6月からスタートした「LEVEL∞(レベルインフィニティ)」ブランドで「PCゲームを盛り上げる」と述べた。

最後に、コーエーテクモゲームスで「三國志13」プロデューサーを務める鈴木亮浩氏も登壇し、Windowsと同じ30周年となる新作「三國志13」を紹介。同社はDirectX 12に注目し、社内では研究開発を行い、PCゲームのクオリティ向上に努めると語った。

「三國志13」はWindows 10にも対応し、2015年1月28日の発売を予定している

会場に設置されたサードウェーブデジノスの「GALLERIA ZI」シリーズ

Project Whiteの「G-GEAR」シリーズ

マウスコンピューターの「G-Tune」シリーズ

ユニットコムは LEVEL∞(レベルインフィニティ)」の1つ「C-Class」を展示

阿久津良和(Cactus)