【インタビュー】

投資信託の販売方法に革命!? 投信に特化した来店型店舗「投信の窓口」とは?

 

高木証券は2日、投資信託を専門的に扱う来店型専門店舗「投信の窓口」を東京都世田谷区の三軒茶屋(三軒茶屋支店)と東京都中央区の日本橋(日本橋本店)に開設した。同社は、「投信の窓口」について、"くらべる。選べる。納得できる。"をコンセプトに、国内約4,200本の投資信託を定量評価に基づいて客観的に診断する、"公平・中立"な相談窓口としている。

「投信の窓口」三軒茶屋支店

当初は、三軒茶屋支店をモデル店舗に日本橋本店との2店舗展開とするが、2016年4月以降には、オンライン上でも同様のサービスを受けることができる「投信の窓口」オンラインサービスの開始も予定している。

今回は、高木証券常務執行役員 「投信の窓口」本部担当兼「投信の窓口」日本橋本店長の佐藤宏之氏と同社専務執行役員 ファンド・リサーチセンター長の植村佳延氏に、「投信の窓口」開設の狙いなどについて、インタビューした内容を紹介したい。

入りやすい店作りをした「投信の窓口」

――高木証券では、すでに東京、大阪、名古屋、福岡に合わせて20店の営業店舗があるということですが、今回、あえて投資信託に特化した来店型店舗を開設したのはなぜなのでしょうか。

佐藤 : 投資信託を販売するという業務はこれまでの店舗でもできることですが、あえて投資信託に特化した店舗を別ブランドにすることで、新しいお客様を開拓するというのが狙いです。

証券会社となると、どこか敷居が高いというか、専門家じゃないと関係ないとか、入りにくい雰囲気があったかと思うのですが、「投信の窓口」という別ブランドにすることで入りやすい店作りをしたいというのが最初にありました。

「投信の窓口」三軒茶屋支店の入口付近

――日本橋と三軒茶屋に店舗を設けたのは、どういう理由でしょうか?

佐藤 : 日本橋は当社の東京本部があるからという理由ですが、三軒茶屋は、お客様が普段生活しているターミナル駅で、お金に興味を持っている方も多いという理由です。今回の「投信の窓口」は、年末年始を除いて年中無休で土日もやりますし、営業時間も従来の証券会社が午前9時~午後3時であるのに対して、午前10時~午後7時にするなど、より相談しやすい日程・時間となっています。

「投信の窓口」三軒茶屋支店は商店街の中にある

お客様の状況に即したファイナンシャル・プランを対面で相談することで、投資信託の販売のやり方を少しでも変えていこうという思いを反映させた立地です。

高木証券常務執行役員 「投信の窓口」本部担当兼「投信の窓口」日本橋本店長の佐藤宏之氏

たとえ他社で購入されて保有されている投資信託であっても、それに対するきちんとした評価とか対策、ご案内をお一人お一人のお客様に即してやっていこうということが店舗の構想となっています。お客様一組1時間、2つの場所で対応するということで、1時間に2組のお客様に対応するということですから、来店いただいた方に流れ作業的に対応するというのとは全く異なる対応となっています。

奥のソファー席でゆっくり相談を受けることができる

一度に2組のお客様しか対応できないので、まずは予約していただいて、ソファーに座っていただき、1時間ゆっくり相談しましょうという形です。

もう一つのソファー席

「ファンド・ラボ」というシステムで一つ一つの投資信託にカルテ

――今までのお客様と違うお客様というのはどういうことでしょうか?

佐藤 : 今までの証券会社の営業店というのは、来店されるお客様に対応するというよりは、営業社員が外に出てお客様を獲得するというやり方が主流でした。今回はそうではなくて、「投信の窓口」にお客様がいらしていただくというやり方で、今までとは違った顧客層の方にも来ていただけるようにしたということです。

植村 : もう一つ言いますと、普通の証券会社ですと、その証券会社で買った投資信託についてしか相談に乗ってくれないという事がほとんどだったかと思います。自分のところで扱っていない投資信託は分からないからです。

ところが我々の開発した「ファンド・ラボ」というシステムでは、国内で販売されている約4,200本の投資信託をほぼ全て網羅し、一つ一つの投資信託のカルテ、つまりデータと評価をお客様に示すことができるのです。

このカルテには一切定性的評価、つまり恣意的な評価は入っておらず、全て数字で処理した上での評価となっています。全ての投資信託について、"公平・中立"なデータをお客様に示すことができるのです。

もちろん、高木証券で取り扱っていない投資信託のカルテもありますから、他社で購入された投資信託であっても、評価が良ければ、保有継続をお奨めすることもあります。

ソファー席に設置された「ファンド・ラボ」の閲覧モニター

――なるほど。一つ一つの投資信託の客観的なデータが見られるわけですね。

植村 : もう一つの特徴は、現在投資信託の約7割が毎月分配型と呼ばれる分配金を毎月出すものですが、「ファンド・ラボ」では、分配金がその投資信託の実力に見合ったものかどうかもお示しすることができる点です。これは最大の特徴と言ってもいいかもしれません。

さらに特徴を挙げますと、すでに投資信託を保有されているお客様に対しても、ペーパーで改善案をお渡しすることができるという点が挙げられます。

ですから、「投信の窓口」に来店された場合のイメージは、まず保有する投資信託の状況をお聞きして、それぞれのデータをお示しし、その改善案をペーパーでお渡しするといったようなものになるかと思います。だいたいここまでで1時間になります。

そしてもしお客様がご希望されれば、再度来店していただき、今後どうしていくかの相談をさせていただくというものになります。

高木証券専務執行役員 ファンド・リサーチセンター長の植村佳延氏

――相談料なんですが、おいくらですか?

植村 : 無料です。

"ネットと対面の間"を目指す

――無料ですか。すごいですね。対面型だと家賃とか費用もかかると思うのですが、ネットではなく対面にした理由はなんでしょう?

佐藤 : 今まで、投資信託については、比較して選ぶというビジネスモデルがなかったと思うんです。ただ、今は何を買うにしても比較して買いますよね。値段とかコストとかパフォーマンスとか。そういう比較して選ぶというのは、投資信託の場合、ネットではなく対面のほうがいいかなということなんです。

植村 : 実は私は高木証券とは違う対面型の証券会社にもネット証券にも在籍していたことがあるのですが、投資信託はコモディティ商品ではないので、ネットだけでは無理ということを実感しています。

投信はやっぱり相談しないと分からない。その証拠に、株式はネット証券が大きなシェアを獲得していますが、投資信託はまだ3%もいっていません。投資信託を選ぶのは、アドバイスが必要なんです。そんな想いから開発したのが、「ファンド・ラボ」なのです。

――そうすると、2016年4月以降には、オンライン上でも同様のサービスを受けることができる「投信の窓口」対面オンラインサービスの開始も予定しているということですが、これはネット証券とは違ったやり方になるんでしょうか?

ネット上で相手の顔が写って相談ができるようなシステムになる予定です。「投信の窓口」には、日本橋は10人、三軒茶屋には8人の相談員、「コンシェルジュ」と呼んでいますが、このコンシェルジュがネットでも対応する予定となっています。

この「コンシェルジュ」は、適性のある社員が徹底した研修を受けて相談員となっています。

――なるほど。新しい投資信託の販売の世界が広がりそうですね。本日はありがとうございました。


いかがだっただろうか。投資信託のネット販売がまだまだ普及しない中、新たな投信販売の手法が成功するのか、今後の展開が楽しみである。

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事