Apple Payについては本連載でも触れてきており、引き続き、iPhoneがどのように生活の中で活躍するか、という象徴的な存在として位置づけることができる機能だと考えている。現状米国において、筆者の評価は「使える場所が少なすぎる、最高の支払い体験」というフレーズに尽きる。

iPhoneをカードリーダーにかざして親指をTouch IDに添えるだけで会計を済ませることができる支払いの体験は、財布をポケットから取り出してクレジットカードもしくは紙幣を抜き出し、それを店員さんに手渡したり、自販機に読み込ませるのと比べて、手軽さもスピードも全く別のものだ。

さらにApple WatchでApple Payを設定すれば、そのスピードはさらに速くなる。時計の右側面にあるデジタルクラウンではないボタン(サイドボタン)を2度クリックして、手首をそのままリーダーに近づければ良い。個人的には、Apple Watchでの支払いこそが、キラーだと感じている。

ユーザー側のメリットは、支払いの未来を体験できることであり、速さや動作の少なさは、「スマートさ」という一語で言い表せる。しかしユーザーにとって、そしてクレジットカード会社にとって共通し、もっとも重要なポイントとなるのは、セキュリティだ。