H-IIAロケット29号機がついにその姿を現した。種子島宇宙センターにおいて、大型ロケット組立棟(VAB)から射点への機体移動は11月23日22:33に開始。ロケットは500mほどの距離を約20分かけて移動し、22:56に完了した。あとはいよいよ、打ち上げを待つのみだ。

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射点に姿を現したH-IIAロケット29号機

機体移動は当初、23日21:00開始を予定。当日昼頃の天候判断により1時間前倒しされ、20:00開始に変更されたのだが、屋久島方面に雷が観測されているということで、20:00を過ぎても機体が出てこない。最初は、遠方で雷光が見えていただけであったが、そのうち音まで聞こえるようになってきて、センター内に雷警報が発令。我々プレスも、撮影場所から一旦退避することになった。

左が大型ロケット組立棟(VAB)で、一番右にあるのがH-IIAロケットの射点

ライトアップされているのがH-IIA用の第1射点。手前はH-IIB用の第2射点だ

多少の遅れであれば、その後の進行でカバーできる。だが、カバーしきれないほどになると、「打ち上げ当日の天候は良いのに機体を出せなくて延期になる」ということもあり得る。雨も本降りになってきて、打ち上げが予定通りいくのか懸念されたが、その後警報が解除。22:00ころになって「機体移動を22:30より開始」というアナウンスがあり、慌ただしく撮影場所へと移動した。

再び撮影場所へ移動。雨が上がり、空には星も見えていた

VABの巨大な扉から出てきた直後のH-IIAロケット29号機

今回は204型なので、固体ロケットブースタ(SRB-A)は4発

機体はゆっくりと移動するが、この大きさにしては速い印象

移動中の足下には作業員の姿も。ロケットの大きさが際立つ

今回の注目点は第2段。従来オレンジ色だった部分が白色に

当初の計画より、機体移動は1時間半ほど遅くなったものの、今のところ打ち上げ時刻の変更は特に発表されておらず、予定通りに進行している模様だ。打ち上げ予定時刻は15時23分。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、打ち上げ時と衛星分離時にそれぞれネット中継を実施する予定なので、ご覧になると良いだろう。