まとめと作例、交換レンズ以上に表現力を高められる

また少し裏技的な使い方になるが、ストロボにカラーフィルターを装着したうえでホワイトバランスを「白熱電球」にセットすれば、ストロボ光が当たった部分をノーマルな色で再現しつつ、空などの光がとどかない部分を意図的に青く染めて表現することも可能だ。

ストロボなしで撮影すると、見た目に近い再現になる。カメラは「EOS 70D」を使用

「430EX III-RT」を発光。カラーフィルターなし。背景を暗く落として花のみを強調した

「430EX III-RT」を発光。カラーフィルターあり。背景を青く染めて幻想的な雰囲気を演出した

トータルとしては、比較的小さな本体に高機能を凝縮したストロボとして、「430EX III-RT」は非常に実用的だと感じた。光量の面では上位モデル「600EX-RT」に一歩見劣りするが、持ち運びの負担を大きく軽減できることは何よりありがたい。

ビギナーの場合、カメラやレンズにこだわる人は多いが、ストロボを重視する人は少ない気がする。だが私なら、持参レンズの数を1本減らしてでも、この「430EX III-RT」をカメラバッグに入れて持ち歩きたいと思う。交換レンズ以上に、撮影領域と表現力を高められるからだ。EOSシリーズまたはホットシュー搭載のPowerShotシリーズのユーザーであれば、より自由な撮影を可能にしてくれるアイテムとしてお勧めできる。

「ST-E3-RT」を装着したコンパクトカメラ「PowerShot G5 X」を右手に持ち、左手に持った「430EX III-RT」を花の後ろから光が当たる位置にかざしながら、手持ちで撮影。透過光で花が輝くような表現を狙った

斜め後から光を当てて、花の立体感を強調。絞りをF8まで絞り込みつつ、シャッター速度を1/125秒の高速にセットすることで、明るい屋外ながら背景を暗く落として花のみをいっそう際立たせた

「430EX III-RT」のズーム機能によって照射角をあえて狭くして、花の中央部のみを明るく照らした。自然光のみの撮影とは異なる、さまざまな光のバリエーションがストロボ撮影の面白さだ