説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「Apple SIM」はiPhoneで使えますか?』という質問に答えます。

***

一般的なSIMカードは1枚につき1つの通信会社しか利用できませんが、「Apple SIM」は国内/海外を問わず1枚で複数の通信会社を利用できます。これまで海外滞在時には、高額なローミングサービスを利用するか現地のプリペイドSIMを入手して差し替えて対応してきましたが、Apple SIMを利用すれば画面から通信会社とプランを選択するだけで利用できます。

そのApple SIMが、11月17日から日本のApple Storeでも取り扱いが始まりました。Appleが扱うSIMのこと、iPhoneで使えないことはないだろう……と思わず結論づけてしまいそうですが、「装着可能だがソフトウェア(サービス)としては利用できない」が現時点での答えとなります。つまり、差し込むことはできても、肝心の通信には利用できません。

Apple SIMは「エンドユーザが複数の候補のなかから通信事業者を選べるSIMカード」です。物理的な特性はnano SIMですから、iPhone 5以降のiPhone/iPad全モデルに装着できます。しかし、物理的に装着できることと通信用IDカードとして利用できることは別の話です。

AppleのWEBサイトには、nsno SIMに対応する製品のリストが掲載されています。そこにはiPhone 5以降のiPhoneとiPad mini以降のiPad(Wi-Fi+Cellularモデル)が掲載されていますが、Apple SIMとの互換性が明記されているのはiPad Air 2とiPad mini 4、iPad mini 3の3製品です(11月17日現在)。最近発売されたiPad Proをくわえた4製品がApple SIMの対応製品であり、SIMフリーモデルを含めすべてのiPhoneは現在のところApple SIMに対応していません。

Apple SIMの物理的な特性はnano SIMですが、通信サービスを利用できるのはiPadの4製品に限られます