"絶叫"という言葉がよく似合う遊園地といえば「富士急ハイランド」(山梨県富士吉田市)だが、平日でも待ち時間が1時間以上になることも。「効率的にたくさん乗りたい! 」なんていう人のために、今回は富士急ハイランドの混雑回避方法を紹介しよう。

  • FUJIYAMA 富士急

    "KING OF COASTER"こと「FUJIYAMA」は、最高速度130km/h、最大落差70m、最高部79mなど世界最高クラスのスペック

2019年6月6日:アトラクション名称等を一部修正しました (マイナビニュース編集部)

狙い目は「朝一番」

富士急ハイランドでの混雑回避の基本策は、朝一番の「開園前」に行くこと。開園して30分も経てば、1時間待ちのアトラクションが出てくることは必至。なので、ぜひとも開園前から並びたい。

どの遊園地でも開園前に訪れるのは混雑回避の共通テクだが、富士急ハイランドの場合はとりわけ大切なポイントと言えるだろう。というのも、自家用車で来園する場合は特に問題ないが、電車や高速バスなどの公共交通機関で開園前に到着しようとすると、都心から利用できる電車や高速バスの数に限りがある。そのため、開園直後は比較的まだ客が少ないので、人気アトラクションにすぐ入れるチャンスが増える。

「E-TICKETS」でチケットを事前に確保しよう

ただし、せっかく早い時間に行っても入園券やフリーパスを現地で購入するなら、購入待ちの列に並ばなければいけないので、できるだけ事前に購入しておきたい。例えば、オフィシャルサイトでは割安に購入できる前売り券「E-TICKETS」を数種類展開している。中でも「オンライン顔登録フリーパス」では、事前にオンラインで顔写真を登録しておくことで、当日は『優先ゲート』からスムーズに入園できる。

また、各交通機関パック(富士急ハイランドまでの往復+フリーパス引換券)やお泊りパック(富士急ハイランドまでの往復+フリーパス引換券+ホテル・旅館)も用意されているため、事前に適当なプランをチェックしておくのもよいだろう。料金的にもお得なセットになっているほか、混雑日などは日によっては現地に引替用ブースが出ていることもあり、待ち時間の短縮にもつながる。

  • 絶叫・戦慄迷宮

    2018年7月14日に3年ぶりのフルリニューアルを果たした「絶凶・戦慄迷宮~収容病棟篇~」は、暗闇や音、温度、におい、圧迫感など、五感をフルに刺激するさまざまな仕掛けによって、人間の本能的な恐怖を誘う

ゲートに近いアトラクションから攻めよう

事前準備はOK。では、どこから制覇したらよりスムーズに各アトラクションを楽しめるかである。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)での混雑回避テクニックでは、「朝一番に混雑しやすいのはゲート近くの人気アトラクションだから、一番遠くから回る方がいい」とアドバイスしたが、富士急ハイランドは逆で「まず、ゲートに近いところに行く」のがいいだろう。

それは富士急ハイランドの構造に理由がある。実は富士急ハイランドのゲートは2つあり、車や高速バスなどで来る場合は「第1入園口」から、電車で富士急行河口湖線「富士急ハイランド駅」を利用する場合は「第2入園口」からとなる。

入口はそれぞれパークの端っこ同士にあり、第1入園口の近くには「FUJIYAMA」「ド・ドドンパ」「高飛車」、第2入園口の近くには「ええじゃないか」「絶望要塞3」「絶凶・戦慄迷宮~収容病棟篇~」がある。人気アトラクションがそれぞれの入園口に分散しているので、無理をして遠くに行くと別の入園口から入ってきた人が先に並んでいる可能性もあるのだ。ここは素直にゲートに近いところから回る方がいいように思われる。

第1入園口から入った場合は「ド・ドドンパ」か「高飛車」へ

では、それぞれの入園口からどう攻めたらいいのかを考えてみよう。車や高速バスなどで来て第1入園口から入った場合、人気の絶叫マシン「FUJIYAMA」「ド・ドドンパ」「高飛車」の並び口がそれぞれ近くにある。ここでどれに乗ろうかと迷っていたら、どんどん並ばれてしまう。絶対に乗りたいものを事前に考えてから入園するようにしよう。

3つの絶叫マシンはどれも人気だが、筆者の印象で言えば、オープン直後の混雑順は「ド・ドドンパ」「FUJIYAMA」「高飛車」と見受けられる。「全部乗りたいから優先順位が決められない」という場合は、混雑しやすい「ド・ドドンパ」にまず並ぶのがいいだろう。

また、待ち時間列を短縮できる「絶叫優先券」(後ほど詳述する)を購入する場合には、「ド・ドドンパ」を後回しにして「高飛車」を早めに乗っておくことをオススメしたい。

  • ド・ドドンパ

    「ド・ドドンパ」はスタートからわずか1.56秒で180km/hに達する

第2入園口から入った場合は「ええじゃないか」へ

今度は、電車で来て第2入園口から入った場合である。すぐ近くに人気の絶叫マシン「ええじゃないか」がある。絶叫好きは迷わずここから行こう。平日であれば第1入園口から入っても朝一番はそこまで並ぶことはないだろう。なお、「絶望要塞3」「絶凶・戦慄迷宮~収容病棟篇~」はパークの開園時間直後だとまだオープンしていない場合もあるので、オフィシャルサイト等で確認をしていただきたい。

  • ええじゃないか 富士急

    第2入園口からなら、とんでもなく回転する「ええじゃないか」から攻めよう

スマホアプリは必須!

混雑回避のために、富士急ハイランドのオフィシャルスマートフォンアプリ「富士急ハイランド」は必須アイテムだ。アプリを使えばパークマップやクーポンを利用できるのみならず、全部のアトラクションの「待ち時間」をチェックすることもできる。随時更新されているので、全体のアトラクションの待ち時間を見ながら、絶叫マシン以外のものも間にはさみつつ、時間を有効活用しよう。

園内には、飛んでいる感覚が楽しめるフライトシミュレーター「富士飛行社」や、エヴァンゲリヲンの世界を楽しめる「EVANGELION:WORLD」などもある。「どこも混雑していて並ぶ気になれない! 」なんていう時は、コンセプトエリアである「リサとガスパール タウン」や「トーマスランド」なんかもオススメ。エリアを歩いているだけでも、物語の中に入り込んだような楽しい気分になれるはず。

「絶叫優先券」を活用しよう

富士急ハイランドには通常のフリーパス(またはチケット)のほかにも、料金を追加して払うことで早くアトラクションに乗れる「絶叫優先券」がある。USJの「ユニバーサル・エクスプレス・パス」やディズニーリゾートの「ファストパス」(こちらは無料)を利用した経験のある方ならイメージがつくことだろう。これにより、2~3時間並ぶような大人気絶叫マシンであっても、専用の列から入って待ち時間が大幅に短縮できる。

ちなみに筆者が利用した時の場合は、早いもので待ち時間なし、長くても20分待ちぐらいまで短縮できた。

「絶叫優先券」の対象アトラクションは9つ(「FUJIYAMA」「ええじゃないか」「高飛車「ド・ドドンパ」「テンテコマイ」「鉄骨番長」「ナガシマスカ」「富士飛行社」「絶望要塞3」「絶凶・戦慄迷宮(こちらは時間指定券)」。ただ、「絶叫優先券」にはいくつかのルールがあるので購入前に以下のことを考えておいた方がいいだろう。

  • 高飛車 富士急

    2011年に新設された「高飛車」は最大落下角度121度を誇る

「絶叫優先券」を使うなら回り方を考えておこう

「絶叫優先券」を購入する際には、アトラクションと時間帯を指定する必要がある。そのため、絶対に入りたいものは何か、どう回りたいかなどを事前に考えておくとスムーズだ。富士急ハイランドに訪れる前にオフィシャルサイトをチェックしたり、パークでガイドブックをもらうなどしたりして、「絶叫優先券」の使い方を考えておこう。

「絶叫優先権」の購入方法は「事前購入」か「当日購入」

「絶叫優先権」の購入方法は「事前購入」か「当日購入」の2つ。事前購入の場合にはWebサイトからのみ、当日購入の場合は、Webに加えて園内チケット売り場や各対象アトラクション前の券売機で入手可能だ。

「絶叫優先権」には売り切れがあるので注意

効率的に回る切り札「絶叫優先券」は人気のチケットだ。しかし、発売枚数が決まっているので、アトラクションによってはオープンから1時間以内に売り切れるものもある。購入すると決めているのであれば、入園してから早めに買うか、もしくは事前にオフィシャルサイトで入手しておこう。

「絶叫優先権」はキャンセルできないので注意

天候不順やアトラクションの不具合による運休を除いて、「絶叫優先券」はキャンセルができない。「絶叫優先券」を買ったけど思ったほど列が並んでいなかったからキャンセルしたい、とか、他のアトラクションに変えたい、ということができない。できればその日の混雑状況を見て、判断するようにしよう。

「絶対に1日で全絶叫アトラクションを制覇したい! 」という場合は、当日の混雑具合とお財布具合を見ながら、うまく「絶叫優先券」を活用していただきたい。

筆者プロフィール : 遊園地ドットコム
1996年から日本全国の遊園地・テーマパーク情報を掲載。東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオなどをはじめ、全国のパークガイドや割引情報、「ジェットコースターの歴史」や「お化け屋敷の作り方」「テーマパークでダイエット」など、アトラクションにまつわる様々な特集記事を掲載。