Googleは10日、Android OSの最新バージョン「Android 6.0(Marshmallow)」向けに検索の新機能「Now on Tap」の提供を開始した。テキストをコピー&ペーストすることなく、知りたい情報にダイレクトにアクセスできる同機能。どのような仕組みで、実際にはどのようなシーンで役に立つのだろうか。都内ではプレス向けに説明会が開催された。

Now on Tapの利用イメージ。画面に表示されているテキストの中から、有名コーヒー店や地名が自動でピックアップされ、Googleマップや食べログなどに橋渡しされる

どんなアプリにも対応!

説明会には、Googleの製品開発本部長である徳生裕人氏が登壇した。例えばWebの閲覧時、気になる情報が出てきたとする。従来ならキーワードとなるテキストをコピーして、検索アプリを立ち上げてから、検索を実行するだろう。しかしNow on Tapなら、Webの閲覧中にホームボタンを長押しするだけで、知りたい情報のリンクを自動表示できる。徳生氏は「ちょっと知りたいニーズに、ホームボタンのロングタップだけで応えられる」と説明した。

Googleの製品開発本部長である徳生裕人氏(写真左)。Web閲覧時に利用すると、地名などのキーワードが検出され、Googleマップなどへのリンクが表示される(写真中、右)

利用シーンは、Webの閲覧時だけにとどまらない。基本的にはテキストを扱うアプリであれば、どんなアプリにも対応するという。例えばLINEやメッセンジャーを利用していて「何を食べようか」「フォンデュにしよう」という会話になったとする。ここでホームボタンを長押しすると、2人の会話中から「フォンデュ」というキーワードが認識されて「Google検索」のほか、「クックパッド」や「食べログ」にもダイレクトにアクセスできるようになる。

ブラウザ、LINE、Facebook、Twitter、メッセンジャーなどにとどまらず、テキストを扱うアプリであれば、どんなアプリにも対応する

また、会話中に「明日の午後に」などのキーワードがあれば、そのままGoogleカレンダーへ予定を書き込むことも可能だ。徳生氏は「人間なら、この会話の流れなら次に待ち合わせの約束をするよね、というときにNow on Tapを使えば、自動的に待ち合わせの時間と場所をGoogleカレンダーに入力できる」と説明した。

会話の流れから、待ち合わせの約束をするというシチュエーションを予測(写真左)。Googleカレンダーへの導線が用意された(写真右)