「8K」の今

4Kテレビの売れ行きが伸びている中で、すでに「8K」の現場も動き出している。今回、会場の一角に「8K STUDIO」が設営され、キヤノンが実際に8K映像を制作している現場とほぼ同じ環境を体験できた。

とにかく圧倒されたのは、8Kムービーカメラとモニター機器。8Kムービーカメラの大きさはともかく、ケーブル類や操作系(ボタン/スイッチ)の数がはんぱない。その8Kムービーカメラでとらえた映像を表示するモニター機器は、約50V型と約30V型の2種類があり、どちらも現実空間を切り取ったかのような表示だ。

来場者からは、「いくらですか?」「もう使われてるんですか?」といった質問が何度も飛んでいたが、現時点で販売はしていないので値段も「いくらになるかわからない」とのこと。ただ上述のように、キヤノンの制作現場ですでに実戦投入されている。

8K STUDIOの風景

8Kモニターの表示。そこにリアルがあるような精細さ

8Kムービーカメラ。写真右に写っているのは筆者の左手とボールペン。カメラ全体の中で、ほとんどの"大きさ"はレンズが占めているとのこと

8Kムービーカメラはさまざまなシステムで構成されている。何がどうなっているのか理解するのがたいへん…

撮影した8K映像や4K映像を、iPadで調整、編集するシステム。白とびや色飽和などをリアルタイムで確認して調整したり、フォーカス位置や被写界深度も自由に変更できる

8Kディスプレイの展示。大きなルーペで画面を拡大して確認すると、「ドット」はほとんど見えないに等しい。写真右は画面を撮影したものだが、微妙な凹凸と立体感が本物のように見える

「4K」の最先端

【左】従来の4Kディスプレイと、4K HDRディスプレイの比較。4K HDRのほうは輝度と彩度が高く、表現できる色空間も広い。写真ではとらえきれないが、色の純度や深み、階調の幅広さなど、一見して違いがわかる。【中】【右】EOS 1Dで撮影した4K動画から、800万画素相当の静止画を切り出すデモ

次世代4Kプロジェクターは5,000ルーメンの明るさ。設置の環境がよかったこともあるだろうが、高いコントラストと彩度を実現しており、投影型のプロジェクターとは思えない品質