"自分を見るアイウェア"としてジェイアイエヌが打ち出した「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」が11月5日、発売された。発売に合わせて同日、同商品の旗艦店となる「JINS MEME フラッグシップストア 原宿」が東京都・原宿にオープン。本稿では、その内覧会レポートをお届けする。

東京・原宿の明治通り沿いにオープンした「JINS MEME フラッグシップストア 原宿」。東京メトロ「明治神宮前」駅・JR山手線「原宿」駅から徒歩5~6分に立地する、旧JINS原宿店がリニューアルされた路面店だ。営業時間は11時~20時

JINS MEMEは、独自に開発された2つのセンサーで、目の動きや姿勢、身体の動きを捉えて、身体の疲労度合や集中力などを推定し、数値化やビジュアルで表示して可視化するセンシング・アイウェアだ。

メガネ型センシングデバイス「JINS MEME ES」。ウエリントンタイプのフレームをベースに2つのセンサーを搭載する上位モデルだ。

製品は、人間の眼球の角膜の電位を感知する"3点式眼電位センサー"と、加速度とジャイロセンサー(角速度センサー)から成る"6軸センサー"を装備した「JINS MEME ES」と、6軸センサーのみを搭載するスポーツサングラスタイプの「JINS MEME MT」の2種類がラインナップする。メガネ型のデバイスはあくまでセンシング用で、実際にはそれぞれのデバイスで取得したデータをスマートフォンのアプリ側で受け取り、閲覧する仕組みだ。

メガネの眉間と鼻パッドの部分にあるのが"3点式眼電位センサー"。聴診器のように、目元周辺の皮膚から電位の変化を感知する。

"6軸センサー"はサイドのテンプル部分に内蔵。スマートフォンとはBluetoothで通信する。

アタマとカラダの年齢をチェック

発売時に提供されるアプリは、まずは製品の起点となる「JINS MEME App」。東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太教授の監修により開発された"アタマ年齢"と"カラダ年齢"を、3点式眼電位センサーと6軸センサーから得られた眼や身体の動きの情報をもとに、心身のバランスを分析し、可視化を行うとともに、改善に向けたアドバイスを表示する。

「JINS MEME App」の"マインド"判定画面。目の動きから集中力や活力、落ち着き度合を分析して"アタマ年齢"を判定する。集中力などの生産性や創造性が高いほど若くなる。

頭の動きから得られる情報をもとに判定される"カラダ年齢"。走行時の動きや姿勢、着座時の姿勢から年齢を表示。

ドライバーの居眠り運転を防止

2つ目が運転中の眠気を推定するドライバー向けアプリ「JINS MEME DRIVE」。3点式眼電位センサーにより瞬きの頻度や強度、タイミングなどを検知し、独自のアルゴリズムをもとに眠気を推定し、眠気のレベルを3段階で通知し、ドライバーの安全運転をサポートするというものだ。

従来、同様の技術はカメラを使用してドライバーの運転状態を検出するといったものが主流だったが、この場合、ドライバーの位置や向き、夜間や逆光などの明るさの条件によっては視線を捕えにくいという弱点があった。メガネタイプでの眼電位センシングにより、手軽に安定した測定が行えるのがメリットだ。

瞬きや視線を計測して眠気を判定する「JINS MEME DRIVE」。判定結果は3段階で表示。"とても眠そう"の場合はアプリからアラートとアナウンスが鳴り、休憩を促す。>計測開始時から終了時までの走行距離とドライバーの状態をログで確認できる"ヒストリー"モードも搭載。

ランナーに効率の良い走りを伝える

3つ目のアプリが「JINS MEME RUN」。ランニングフォームを可視化するためのアプリで、6軸センサーにより計測を行うため、発売時点においては「JINS MEME MT」で唯一利用可能なアプリでもある。6軸センサーで捕えた頭の動きのデータを独自のアルゴリズムで解析したランニングフォームを可視化することにより、効率の良い走り方につながる安定したフォームへの改善を導くのに役立てることができる。

「JINS MEME RUN」結果画面。スタート時から終了時までの全経過をログやグラフ化して確認できる機能も。

頭上から見た状態でランニング時のバランスを可視化して確認できる。

JINS MEMEでは、今後も2016年1月から配布予定の体幹のトレーニングをサポートする「JINS MEME CORE TRAINING」をはじめ、順次対応アプリを追加していく方針。フィットネスや音楽・エンターテイメントなど様々なカテゴリーで、同製品を活用したソリューションを展開していく。

また、同製品の製品の世界観やアプリの機能をより深く理解するための次世代型旗艦店という位置付けでこのほどオープンしたのが「JINS MEME フラッグシップストア 原宿」。同店では、製品のタッチ&トライはもとより、店舗全体の空間を活かした体験型のインスタレーションや、アプリ開発者や研究者に向けての情報発信やサポート・意見交換の場となる「DEVELOPER'S STAND」が設けられているのが特徴だ。

「JINS MEME フラッグシップストア 原宿」店内の様子。「JINS MEMEを実際に体験できるインスタレーションやアプリ開発者との意見交換の場を設けてJINS MEMEのリアルなコミュニケーションの場とすることで、製品の世界観をより体感してもらいたい」というのが同店舗をオープンした狙いとのこと。

ハーフミラーの壁面には、メガネを展示している際は製品ビデオが流れ、製品をを手に持つとディスプレーが消灯して鏡となって、着用した姿をチェックできる。

各タッチ&トライコーナーは、それぞれ製品、同期したiPhoneが置かれ、デモ用のアプリで体験ができるようになっている他、傍らの画面で詳細を閲覧できる。

店舗用のデモアプリ。3点式眼電位センサーと、6軸センサーがどういうものなのかを直感的に特化して理解できる。

JINS MEMEをゲーム感覚で体験できる特設コーナー「JINS MEME FOCUS EVALUATION」。ゴルフボールの積み上げ、またはトランプタワーの2種類の作業中の経過をJINS MEMEで読み取り、集中度合が表示される仕組み

製品価格(税別)は「JINS MEME ES」が3万9,000円と、「JINS MEME MT」が1万9,000円。旗艦店をはじめ、全国38のJINS店舗で販売される。

旗艦店では「JINS MEME ES」と「JINS MEME MT」のみを取り扱う。

「JINS MEME ES」は度付きレンズにも対応。店舗内には視力測定機器も用意されており、在庫があればその場で購入可能だ。