最初にチェックしたいのは、「Siri Remote」だ。この手のリモコンには、ほとんど必ず配置されている十字キーがない。代わりに採用されたのが「Touchサーフェス」である。これがiPhoneやiPadの画面を操作してるのと同じ感覚で使えるのだ。レスポンスもとてもよく、スワイプ一発で複数手順が必要だと思われる作業を行える。Apple TVとの接続はBluetooth経由なので、いちいちリモコンを本体のほうに向けなくても大丈夫。極端な話、Apple TVがテレビの裏側の見えない場所に置いてあっても問題なく操作できる。

新しいApple TVを操作するための「Siri Remote」

起動時にあらわれる「リモコンをペアリング」の指示に従ってSiri Remoteのタッチパッドを1回クリックすれば、ペアリングは終了

続いて使用言語および、国/地域を選択する

Wi-Fi設定もiPhoneがあると簡単

Apple TVとのペアリングも一瞬で、起動時にあらわれる「リモコンをペアリング」の指示に従って、Siri Remoteのタッチパッドを1回クリックすれば終了。続いて使用言語を選択し、Wi-Fi接続を行えば基本的な設定は完了する。Wi-Fi接続もiPhoneを持ってると楽勝な機能が用意されている。iPhoneのロックを解除してApple TVの近くに置くとペアリングが始まり、iPhoneで以前利用した無線LANの情報を引っ張ってきて、勝手にApple TVで使えるようにしてくれるのである。この辺の作りも非常に上手いなと感じた。Siri Remoteの操作感覚がiPhone/iPadのそれと同じであると指摘したが、iPhoneがあれば各種設定も楽ですよという機構を取り入れたことで、やっぱり「iPhoneが欲しくなる」のだ。

とても分かりやすいシンプルなユーザーインターフェース

ユーザーインターフェース(UI)においても「ホームボタン」を組み込んだことで、これまたiPhone/iPadと同じ感覚で使える。iPhone/iPadユーザーなら、このボタン押せば、ホーム画面に戻れるというのが直感的に理解できる。「再生/一時停止」「+/-」ボタンもいちいち説明がなくても何に使うかは想像できるだろうし、マイクのボタンも、iOSを使ってるなら、あ、これ「Siri」だなと分かる。非常に洗練されたUIである。

さらに洗練ポイントを指摘すると、Apple IDの入力に関しても、スマートな方法が採られている。前述のWi-Fi接続に使用したiPhone経由で、Apple IDも参照され、iPhone側パスワードの入力が行えるのだ。最初、キーボードもないのに文字入力するの面倒くさそうだな、セットアップで挫折しそうと、一瞬曇った表情もすぐに明るくなる。

本体の背面。HDMI、LANポート、電源ポートに、何故かUSB Cのポートも

誤ってテレビなどに投げつけないようにするためのストラップ「Remote Loop」

Siri Remoteでは、HDMI CECに対応したテレビの制御が可能となっている。繋げるだけで特に設定の必要なく、ボリュームの調整、機種によっては電源のオン/オフが可能となる。Siri Remoteへの給電は本体に内蔵されたバッテリで行う。バッテリのチャージは底面のLightningコネクタ経由となっており、そのためのLightningケーブルが付属している。ちなみにApple TVの方には背面にUSB Cのコネクタが配置されているが、これは一般ユーザーには解放されていないようだ。おそらく何か問題があってApple TVをリセットしなければならないような局面で利用するためのものだと思われる。Lightningコネクタには別売の「Remote Loop」を取り付けることができるようになっている。このRemote Loopは、Siri Remoteに内蔵されたモーションセンサーを利用したゲームをプレイする際、誤ってテレビなどに投げつけないようにするためのストラップだ。これを装着していれば、Siri Remoteを安心して振り回せるというわけである。