関東最大の光の祭典。これはどこで開催されるイルミネーションかというと、首都圏から1時間程度で行ける神奈川県相模市の「さがみ湖イルミリオン」である。2009年の第1回開催では100万球だった輝きは年々増していき、10月31日より開催される第7回開催ではなんと550万球にまで拡大した。さらに今回、イルミリオン初となるテーマ付きの展開となっている。開催に先駆け、その魅力を紹介しよう。

関東最大の輝きを放つ「さがみ湖イルミリオン」は10月31日に開幕

ゴージャスな宮殿にコミカルな衛兵

初のテーマ付きイルミネーションは「英国」がテーマ。イルミリオン会場の「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」は、英国で人気のクマ「パディントン」をモチーフにした遊園地であることから、今回のテーマに英国が設定されたという。

日中はファミリーでにぎわう遊園地が夜になると一変。相模湖の静かな森はやや起伏があり、見る角度によって同じエリアのイルミネーションでも見え方が変わってくる。なお、イルミネーションは毎年エリアやカラーリングの変更を行っているため、毎年新しい輝きを楽しむことができるという。

礼儀正しい"紳士"なクマ「パディントン」は世界40カ国語以上で翻訳された世界的な児童小説。英国では国民的なキャラクターなんだとか

どのスタッフも「これは絶対見てほしい」と真っ先にオススメしてくれるのが、「光のバッキンガム宮殿~衛兵の交代式~」だ。各エリアの中でも最大となる70万球を用いた宮殿は、全長65mという迫力。英国のエドワード・エルガー作曲の行進曲「威風堂々」などの音楽に合わせて、管弦楽団の演奏風景や衛兵の交代劇などが光で演出される。この衛兵がなんともコミカルで、運が良ければつるんとこけてダッシュでフェードアウトする衛兵の姿も見られる。

音楽と光で表現する「光のバッキンガム宮殿~衛兵の交代式~」はコミカルな衛兵が愛らしい

そのほか英国風のイルミネーションとして、50万球を用いて構成された「光のイングリッシュガーデン」や本場ロンドンさながらの堂々とそびえたつ10万球の「光のビッグベン」、そして、衛兵がドライバーとなった「ロンドンバスイルミネーション」などがある。特に樹木をイメージしたグリーンのイルミネーションで囲われた「光のイングリッシュガーデン」では、音楽に合わせて色を変える噴水の演出は必見だ。

音楽と光と水が織りなす「光のイングリッシュガーデン」

10万球の「光のビッグベン」は入口ゲートのすぐ前にある

「ロンドンバスイルミネーション」は窓から顔を出して記念撮影ができる

滝も海・陸の生き物も輝く

エリア内で特に強い輝きを放っていたのは、おそらく「光のナイアガラ」だろう。勾配のある坂を上った先にあるナイアガラの中央には、噴水の演出とともにダイヤのイルミネーションが設けられている。きらめくナイアガラに囲まれていると、一瞬ここはどこなんだろうという気持ちになってくる。

坂の先に見える「光のナイアガラ」は見上げるという位置関係もあって一層華やか

ナイアガラと同様、異世界を感じさせてくれる「光のゲート」は全長120m。葉っぱのフェイクがゲートに連なって巻かれており、その葉っぱに光が移ることで全体的に優しい光が広がっている。そのすぐ下には鮮やかなブルーの海原が広がった30万球の「光の海」がある。ところどころにクラゲやカメ、クマノミなど海の生き物たちが"泳いで"いるので、それを一つひとつ探してみるのも楽しい。ちなみに、輝く海の生き物があるなら、輝く陸の生き物もある。「光の動物園」は会場の端っこにあるのでお見逃しなく。

「光のゲート」は全長120mの中で色が変わる

30万球の「光の海」の中をカメやクラゲたちが"泳ぐ"

「光の動物園」にはフラミンゴやトラなどが

イルミリオン一のメルヘンな空間と言えば「光の花畑」。芝桜のようにピンクに輝く一面に色とりどりの花が咲いており、その上には光り輝くチョウが舞う。そのほか、会場の中央をレインボーで照らした「光のリフト」があり、山頂ではスリルアトラクション「大空天国」もレインボーに輝いている。

30万球の「光の海」の中をカメやクラゲたちが"泳ぐ"

光の中で「フィッシュ&チップス」

これまでイルミネーションの魅力を紹介してきたが、イルミリオンではグルメも英国をテーマに展開。ロンドンの公園・ハイドパークをモチーフにしたクリスマスマーケット「ブリティッシュマーケット」には、キャンプファイヤーを囲むように4つのフードマーケットが広がっている。

「ハイドパークをモチーフにした「ブリティッシュマーケット」

どのマーケットでも気軽に楽しめるフード&ドリンクを展開しているが、特にオススメなのが揚げたてのカリッと感がたまらない「フィッシュ&チップス」(550円)。どうせなら英国らしく、エールビールと合わせた「フィッシュ&チップス+エールビールセット」(1,050円)をどうぞ。ビールはスコットランド生まれの「ブラックアイル」からブロンドラガーかポーターかを選べる。

揚げたての「フィッシュ&チップス+エールビールセット」(1,050円)

甘いものが希望なら、英国の伝統的なクリスマスケーキであるプラムケーキをヴィクトリアケーキ風にアレンジした「ブリティッシュドーナツ」(500円)を。ジャムはラズペリーとマーマレードからチョイスできる。持ち帰ってお土産にするのにもぴったりだ。

プラムケーキに粉砂糖を振ってアレンジした「ブリティッシュドーナツ」(500円)

グルメはマーケットのほか、「ワイルドダイニング」でも提供している。ダイニングは斜面に向かって大きく開けた窓があり、グルメを楽しみながら「光の花畑」を一望することも可能だ。

イルミリオンの期間中はダイニング内で「ブリティッシュフェア」として、英国の名門「テイラーズオブハロゲイト」の紅茶を楽しめるティーサロンを展開する。紅茶はダージリン/アールグレイ/ミルクティー/ハーブティーから選べ、スコーンを添えて450円で提供する。また、英国直輸入の紅茶のほか、ファッジやショートブレッド等の販売もしているので、ダイニングで暖を取りながら眺めてみるといいだろう。もちろん、パディントングッズもそろっている。

「ワイルドダイニング」ではパディントングッズなど英国ゆかりの品の販売も

ティーサロン(450円)では4種の紅茶から選べる

期間中は直通バスも

さがみ湖イルミリオンは10月31日~2016年4月10日(予定)の開催で、夜間入場料は大人800円/小人500円で、日中の遊園地営業からの入園者は追加料金なしでそのまま観覧できる。営業時間は17:00~21:30(最終入場は21:00)、点灯開始は2016年1月までは17:00を予定している(2月以降は季節によって異なる)。

会場までのアクセスは、電車ならJR中央線「相模湖駅」から神奈中バスで約8分、車なら中央自動車道相模湖東出口より約7分となる。また、10月31日~2016年3月21日の土日曜日・祝日には、新宿・横浜からの直通バスもある(最小催行人数は各ルートともに25人、直通バス情報はイルミリオンオフィシャルサイトを参照)。

なお、会場のさがみ湖リゾート プレジャーフォレスト内には手ぶらで楽しめるBBQがあり、そばには高濃度炭酸泉や露天風呂も設けた日帰り温泉「さがみ湖温泉 うるり」もあるので、イルミネーション+αな楽しみ方もできる。首都圏からだとアクセスに1時間程度はかかるものの、冬の凛とした空気の中、相模湖のきらめく森はちょっとしたお忍び感覚で楽しめそうだ。

※記事中の情報・価格は2015年10月取材時のもの。価格は税込