有機ELファインダーとバリアングル液晶を装備

EVFには、0.39型・約236万ドットの有機ELを採用している。表示サイズは大きく、精細感はまずまず高い。周辺部まで像が流れることなくきちんと表示でき、コンパクトデジカメの内蔵EVFとしては比較的良好な視認性があるといっていい。激しい動きのあるシーンでやや見えにくく感じる場合は、ファインダーの表示設定を「通常」から、フレームレート120fpsで表示できる「高速」に切り替えるといいだろう。

レンズの光軸上にEVFを配置。アイポイントは22mmで、眼鏡をかけた状態でも見やすいように配慮されている

ファインダー内では、絞りやシャッター速度、感度といった基本的な撮影情報を確認できるほか、必要に応じてヒストグラムや電子水準器、MF時のピーキングなども表示できる。また、カメラを縦位置に構えると、各種撮影情報が自動的に縦位置に表示される点は便利だ。

ファインダーの表示形式は、画面にフル表示する「表示1」と周辺を黒い枠で囲む「表示2」から選べる

撮影メニューのAF関連では、AF動作やAF方式、AFフレームサイズ、コンティニュアスAF、AF補助光などが選べる

背面の液晶モニターは3型・約104万ドットのTFT方式。発色はクリアで明るく、屋外でも特に見えにくく感じることはなかった。EVFの接眼部にはアイセンサーがあり、自動的に液晶モニター/EVFの表示が切り替わる。アイセンサーの反応が敏感なため、液晶のタッチ操作中、不用意にEVFに切り換わってしまうことが何度かあった。ここは何らかの対策がほしいところだ。

液晶モニターの可動については、G3 XやG7 Xのようなチルト式ではなく、左右に開いてから上下に回すバリアングル式となる。どちらを好むかは人によって分かれるが、バリアングル式はカメラの横位置/縦位置を問わず、自由なアングルでの撮影がしやすいことがメリットだ。可動角度は左右に約180度、上下に約270度となっている。

AFにはコントラスト検出方式を採用。ズームのワイド側でもテレ側でもスムーズに作動するAF性能を確認できた。液晶モニターのタッチパネル操作で、測距点を好きな点に素早くセットできるのも使いやすい。

バリアングル液晶は左右に開く動作が必要なため、チルト液晶に比べてワンアクション多くなるが、アングルの自由度では勝る

手動で開閉する小型ストロボを内蔵。小さくて光量は乏しいが、光を補いたいシーンでは役立つ

電源はリチウムイオン充電池「NB-13L」。CIPA準拠の撮影可能枚数は、ファインダー使用時で約215枚、液晶モニター使用時で約210枚。三脚穴は光軸から少しずれている

横位置でのローアングル撮影。絞り優先AE(F2.8 1/200秒) ISO250 WB:太陽光 焦点距離:36.8mm

縦位置でのローアングル撮影。絞り優先AE(F2.8 1/200秒) ISO320 WB:太陽光 焦点距離:36.8mm