説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「Apple Musicの音はWi-Fiのほうがいいってホント?」という質問に答えます。

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Apple Musicを聴く経路は、モバイル回線とWi-Fiの2通りありますが、Wi-Fiで聴いたほうが音はいいという話はある意味正解です。それは、Apple Musicの初期設定ではWi-Fi通信時のみ最大のデータ量でストリーミングするためで、設定を変更しないかぎりモバイル通信時のほうが音質的には不利となります。

Apple Musicで扱う楽曲は、音楽データを「AAC」という方式(オーディオコーデック)で圧縮しています。一般的にデジタルの音楽データは、単位時間あたりにどれだけのデータ量があるかを示す単位としてビット毎秒(bits per second、bps)を用い、これを「ビットレート」と呼びますが、Apple Musicでは最大256Kbpsに設定されています。

ただし、これはWi-Fi経由で利用しているときの話です。Wi-Fiに比べ回線速度が不安定になりがちなモバイル回線使用時は、再生を安定させるためビットレートを抑えます。回線の状態にもよりますが、3G/LTE通信時のビットレートは160~170kbps程度で、Wi-Fiに比べるとデータ量は減ります。データ量の大小は音質に直接影響するため、高ビットレートでサービスを利用できるWi-Fiのほうが音質的に有利なことは確かでしょう。

Appleは、モバイル回線使用時でも音質を重視したい、通信量が増えてもかまわない(1カ月のパケット上限を気にしない)からいい音で楽しみたいというユーザのために、モバイル回線使用時でも最大ビットレートを使用できるオプションを用意しています。「設定」→「ミュージック」の順に画面を開き、「モバイルデータ通信で高音質」スイッチをオン(白→緑)に変更してみましょう。パケット量が増え、回線品質が低下しているときの再生は途切れがちになりますが、つねにベストの音質でApple Musicを楽しむことができます。

モバイル回線使用時でも可能なかぎり高音質でApple Musicを楽しみたい場合は、「モバイルデータ通信で高音質」スイッチをオンにしましょう